毒に込めた愛を飲ませて

(梅雨ちゃんがヤンデレぽいです)




「梅雨ちゃんの毒ってどんなのなんだろな……飲んでみてぇかも。」
「ケロ……?」


そんなことを急に言われて、私の思考回路が一瞬止まる。


「ほら、ピリッとする程度の毒って言ってたろ、あれだよ。あれ死なない程度に飲んでみたい」
「……なんで急に?」
「いや、昨日毒殺ミステリーもの読んで思ったんだけど、俺は個性でピトフーイとかヤドクガエルとか、毒出せる動物になれるけどそれになったら毒感じないし、下手したら死ぬし……でも、もし毒を飲んだりしたらどうなるかってのを知りてぇわけよ」
「……好奇心旺盛なのね」
「それに、梅雨ちゃんの毒なら浴びるほど飲みたいくらいだし、さ」
「ケロ……陽二ちゃんは本当に私のことが好きなのね」
「あぁ、そりゃもう。」
「……じゃあ、お望み通りにしてあげる」

ちゅっと重なる唇に、唾液混じりにピリッと口内に走った鈍い刺激。

数秒すれば口の周りからじわじわと麻痺が始まる。


「陽二ちゃん、安心してね。たっぷり濃くしたけど死にはしないわ、ただ動けなくなるだけ」
「つゆ、ちゃ」
「……ほら、もっと飲んで。私の毒が無いと辛いくらいに侵食してあげるわ」
「んぅ」

梅雨が口移しに毒を注げば、抵抗することなく陽二は毒を飲み込んだ。
麻痺した口の端から、唾液で薄まった薄緑の液体が流れ落ちていく。
次第に麻痺は四肢に到達し、陽二はゆっくりと梅雨の膝枕に沈みこんで収まる。


梅雨の手を握ったままうっとりと毒にトリップする陽二を見て、
ケロケロ、と梅雨は嬉しそうな笑い声をあげ、また口付けを落とした。




愛情混じりの濃い毒を込めて。











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ヤンデレのようでヤンデレてないでもちょっぴりヤンデレななにか

20181101

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