俺だけのメデューサ(SS)
「·····悟見ちゃん、どうしたんだよ?」
「あ、だめです·····やめて、みないで·····くださ·····」
顔を覆い隠して泣く悟見。
·····その髪は、全てが蛇に変わってしまっている。
それに気づいた切島は、悟見の腕を掴んで半分無理矢理に手を顔から引き離した。
悟見の三つ目は驚きのあまりか全て開かれ、珊瑚色の目からはぼろぼろと大粒の涙が溢れている。
左右の縦巻きの蛇が未だに悟見の腕を掴んでいる切島を威嚇するが、噛み付く気はないようだった。
「·····えい、じろ、さ」
「あぁ、やっぱり悟見ちゃんは綺麗だぜ」
「わ、わたし·····きれい、なんかじゃ·····」
「あぁ、泣かないでくれ·····俺の悟見ちゃん·····」
そう言うと、切島は悟見をきつく抱きしめる。
「悟見ちゃんが泣いてたら、俺も辛くなる」
「·····鋭児郎さん、わたし、醜いでしょう?そんなこと、無理して言わなくていいんですのよ·····」
「誰がそんなこと言ったんだ?·····教えてくれよ、悟見ちゃん。俺がやっつけてやるから·····」
「いいんですの·····だって、醜いのは本当のことですもの·····」
「·····みんなが理解してねえだけだ。俺は悟見ちゃんを綺麗だと思ってるし、愛してる。」
「えいじろ、さ·····」
「誰もが悟見ちゃんを嫌おうと、他の誰かがなんと言おうと·····俺は悟見ちゃんを個性ごと愛してる」
「本当に·····?」
「·····な?だから俺とずーっと、ずっと一緒に生きようぜ、悟見ちゃん」
そう言うと、切島は悟見の唇を塞いでひどく嬉しそうな顔をした。
―――――――――――
悟見が嫌いな個性を切島が愛して自分に縛り付ける。っていうのが書きたかった。
うん、自分でもよくわからない。
20180615
加筆修正・20220604
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