お前と家族になりたい!

·····オセオンにある、とある1軒のトレーラーハウス。
そこの主であるロディ・ソウルは、幼なじみであり恋人である孤塚 フォクシーにとあることを告げるべく、パートナーの小鳥のピノと共に耳まで染まるほどに顔を真っ赤にしていた。


「フォクシー!·····おっ、俺と、け、けっこ、けっ·····」

「·····何よロディ、急に鶏のモノマネなんか始めちゃって。悪いけどそのモノマネ、ハニーだって耳すら立てずに素通りするくらい似てないわよ。」

「だぁーっ!?ちげぇよバカ!」

「·····あら違うの?じゃあ今度私もやってみようかしら。少なくともロディよりは上手くモノマネ出来そうよ」

「やめろぉ!!」


そう言ってロディが羞恥から頭を抱える中、フォクシーは不思議そうな顔を浮かべながら首を傾げる。
それをフォクシーのパートナーの狐であるハニーのしっぽをモフりながら見つめるのは、ロディの弟妹のロロとララ。


「·····おにーちゃん、なにしてるのー?」

「シッ!今いい所だから見てよーな、ララ」

「そっかー」


そんな2人のやり取りなど耳に入らない程に、ロディは必死になっていた。


(くっそ〜、こんなはずじゃ·····)


この日の為に色々と準備を重ねてきたというのに、いざとなると緊張で喉の奥に何かがつっかえたように言葉が出なくなる。
·····だが、このままではいけないと思ったのか、ロディは大きく深呼吸をしたのちに意を決して口を開いた。


「·····おほんっ!!えっと、あのさフォクシー。実はもうすぐお前の誕生日だろう?」

「ん、誕生日?·····ああそういえば、あと少しで私の16歳の誕生日ね。それがどうかしたの?」

「·····いいかフォクシー、よく思い出せよ。俺はもう16歳だ!16歳になったら、オセオンでは何が出来る?」

「ほんとに今日はどうしたのよ、ロディ·····?それはもちろん、色々あるけど·····1番は結婚出来るようになる事よね。16歳になれば親の許可がなくても婚姻届が出せるもの」

「·····そうだ。だから俺は今日こうして、改めてプロポーズしようと思ったんだよ!」


その瞬間、そっぽを向いていたハニーの狐耳がロディの方を勢いよく向いた。
そして、フォクシーもそこまで聞いたところで、ようやくロディが何を言いたいのか理解出来たようだ。
みるみると頬を赤く染めていきながらもじもじし始める様子を見て、ロディとピノはまた顔を真っ赤にする。

·····そしてそんな2人の様子を、頬を赤くしてチラ見しながら気にするハニーと、同じく頬を赤くして嬉しそうに見守るロロとララの姿があった。


「·····ちょっ、ちょっと待ってロディ!まだ心の準備が出来てないっていうか·····その、嬉しいんだけど急すぎてビックリしちゃったわ······」


照れ隠しなのか、ひたすら右手で狐の毛繕いのような仕草をするフォクシー。それは彼女が焦ったりパニックになった時のクセであるが·····それはロディにとって逆効果であり、余計に彼女の可愛さを引き出してしまう結果になるのだが、本人は気づいてすらいない様子だ。


「·····あ、あら、ごめんなさいロディ。いつものクセが出ちゃったわ·····でも、本当に驚いたのよ?まさかあなたからプロポーズされるなんて夢にも思わなかったものだから·····」

「いや俺もすっげぇ恥ずかしいし心臓バクバク言ってんぞ!?でもそれ以上にフォクシーの事が好きだし、ずっと一緒に居てほしいって思ったからだよ!·····だから、俺と結婚してくれ!」

「·····ふふっ、ロディ·····私もあなたの事を愛しているし、これからもずぅーっと一緒に居たいわ。もちろんよ、喜んでお受けするわ!」

「フォクシー·····!」


それからしばらく抱き合い、互いに顔を見合わせながら微笑み合う。まるで長年連れ添ってきた夫婦のように自然な流れでのプロポーズであった。

·····そして、ふとロディが耳を澄ますとフォクシーの喉から小さくだがくーん、きゅーん、と小さく鳴く声が聞こえる。
どうやらフォクシーは嬉しさのあまり、無意識のうちに狐の求愛の鳴き声を漏らしてしまったらしい。
しかしロディはそれを聞いても全く嫌な気持ちにはならず、むしろ自分の恋人がとても可愛いと思った。


「·····きゅーん?」


そのままロディは口元に笑みを浮かべ、フォクシーの鳴き声を真似して返す。すると彼女は更に顔を赤くし、両手で顔を隠しながら「ばかぁ·····」と呟いた。


「ロディ·····狐の求愛鳴きに鳴き返す意味、分かってやってるんでしょうね·····」

「当然だろ。なんならもう1回鳴き返してやろうか?」

「·····もう、調子に乗らないの」


そう言いつつもフォクシーは嬉しそうに尻尾を左右に振っており、それがまたロディにとっては堪らなく可愛く見えた。
そしてロディとフォクシーは再び見つめ合い、自然と互いの唇を重ね合ったその時、ロロはララと自分の目元をそっと自分の手で隠した。

その後フォクシーは16歳の誕生日にロディと共に婚姻届を出し、晴れて「フォクシー・ソウル」となり、名実ともにロディの妻となり、ロロとララの姉になったのであった。


その半年後、彼らはオセオンに任務でやってきた出久と琉音に出会うのだが·····それはまた、別の話。




――――――――――
ロディフォクてぇてぇ。
ロディを定期的に摂取したいので早くフィルムコミック発売してください。

20211209

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