毒を召しませ籠の鳥

「……ご機嫌はいかがですか?」


百はニコニコと笑いながら、籠の中に居るゆらぎの頬に手を伸ばす。
ゆらぎはその問いに、ゆっくりと頭を縦に振った。

「あぁ、今日も私だけのゆらぎさんがここに!」

百はそのまま優しく、まるでぬいぐるみを抱きしめるかのように、
ゆらぎのその細い体を両腕で抱きしめた。


「……あら、嘘はいけませんよ、ゆらぎさん。こんなに震えて……」

「毛布を作りましょうね。それとも暖かい紅茶をお入れしましょうか?」


そう言うと、百は個性で毛布を形作っていく。
その毛布をゆらぎの体を包むように掛けると、ニコリと笑った。


「私の愛しい愛しいゆらぎさん。私の作った籠の中のゆらぎさん。」


ゆらぎの体の震えが寒さではなく、百への恐怖だとは知らず、
百は自分の作った檻の中で自分の作った毛布に包まり、自分に抱かれているゆらぎを、
愛おしく、優しい目で見つめながらまた抱きしめた。







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友人との会話で思いついたネタ。
「ヤオモモなら自分の個性で檻作って夢主閉じ込めれるじゃん……」ってなった。

20170805
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