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彼から貰ったペンダント。彼から貰ったメール。
それを見つめながら、僕は部屋の真ん中でポロポロと涙を流します。
彼との日々が遠い日のよう、いえ、今では夢であったと錯覚すらしてしまいます。
学校に僕の味方なんていません。
元々、人見知りが激しくて、彼と付き合っていたぼくです。
友達なんかできる前に、色々なごたごたに巻き込まれてしまった為、本当に僕が親しかったのは彼しかいなかったのです。
両親はとても僕に優しいけれど、二人とも働いており、普段は家にいません。
相談なんかできませんでした。
それに、男に抱かれて脅されている、だなんて、恥ずかしくて怖くて言えません。
もしも言って、軽蔑した目で見られたら…と思うと。
本当は助けて、と助けを求めたいのに言えなくなってしまうのです。
学校も、辛いのならば行かなければいいという逃げ道もあるでしょう。
でも、そうすると、両親が学校へ行かないわけを僕に聞いてくるはずです。
そうしたら、僕が学校でされていることを話すことになります。
学校で、多数の男に陵辱されているという恥ずかしい汚点を包み隠さず言うことになるのです。
そんなこと、辛くて言えませんでした。
「…ふっ…」
彼から貰ったペンダント。
彼から貰ったメール。
二人で撮った写真。
もう、戻らない、日々。
戻れない、日々。
二人で笑い合っていた、あの日。
それが一瞬に壊れたあの日。
「ごめんなさい…」
もし、僕が彼と釣り合うような人間だったら…
こんな事態には陥っていなかったのでしょう か…。
「ごめんなさい…」
もう、届かないのに。何度も、何度も。
「ごめんなさい…」
行き場のない、その言葉を。
―死んでしまおう。
部屋で存分に泣いた僕は、袖で涙を拭きながらそんな負の感情に捕らわれてしまいました。
朔夜君は、あれから別の恋に落ちた…と噂できいたし、あいつらは僕を飽きそうにありません。
それどころか、卒業してからも、俺たちの玩具だ…なんて笑って言っていました。
暗い絶望だけの日々。
彼らの玩具になるくらいなら…、僕自らの手で終わらせてやる。
僕は、弱くて、泣き虫で何も出来ないから。
だから、逃げるしか、道を考えられませんでした。
それほどまでに、僕は負の感情にとらわれていたのかもしれません。
死のう…。
死にたい…
死んでやる。
そう考えて。
嫌だ…死にたくない…。
朔夜君に、もう一度、会いたい。
その未練たらしい気持ちに陥ります。
どうすればいいんだろう。
どうしたらいい?
答えなんて出てきません。
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