「話してくれてありがとう」
「…核心に迫っタことハ、何も言えなカったケどネ」
「ううん、聞きたかったことが聞けてよかったわ」
「…空は優しいネ。空が傍にいテくれるダけデ、栞は救わレてルんダヨ。だかラこれカらモ、その愛情デ栞を助けてアげてネ」
じゃあ、とイヴモンは空から離れ、再び栞の待つ部屋に入っていった。
空は顔を俯かせ、涙を一粒だけ零した。彼女はそれに気づいていなかったが、ピヨモンはその涙を見て、自分も悲しくなるのを感じた。
「空…」
「私、栞がそんなにつらい状況にあるなんて、…分かってなかった。全部、全部知ってるつもりでいたの。…けど、本当のこと、何にも知らなかったのね…っ、」
「…ねえ空」
「何…?」
「イヴモン、言ってたわ。空が傍にいてくれると、栞は救われるんだ、って!栞は優しい空が大好きなのよ。あたしもそうだから分かるの!…ねえ、空。あたし、頑張って空と栞を守るわ。そうしたら、栞は何も変わらないでしょう?そしたら空も悲しくないでしょ?」
空を一生懸命励まそうと、ピヨモンは明るい声を出した。空はゆっくり微笑み、うん、と頷いた。
「ありがとう、ピヨモン」
その小さな体に抱きつき、新たな決意を胸に宿した。
17/07/26 訂正
10/04/14 - 10/11/27 訂正
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