「えーーーー!名前先輩もう帰るんすか?!」
「ちょ、名前!俺の家来てくれるって言ったじゃんかよぃ!!」
「だからごめんて言ってるじゃねぇか」
ただいまブーイングの嵐になっています。
「俺も本当はもう少しこっちにいようと思ったよ?思ったんだけどよ〜白石からさ〜…」
「白石ってあの白石?」
「うん、あの」
本当は神奈川にもう少しいようと思った俺。でも昨日の夜、まあ、幸村の家にまたいたわけなんだけど_____
「名前、ケータイ光ってる」
「うそ!マナーモードにしてたから気づかなかった」
画面をみれば、
「なんだ、白石じゃん。なんだろ。あ、もしもしー?」
《名前!お前いつ帰ってくるん?!》
「あ?なんだよ、どーした」
《どーしたもこーしたもあらへん!財前なんとかしてーなー!》
「なになに…財前なにしたの」
《あいつお前おらんと不機嫌なんや》
「なにそれ、かわい!」
《ふざけんなや!!こっちはえらい迷惑してんねんで?!》
「俺の知ったこっちゃねーよ!!俺のせいかよ!」
《とりあえずな、頼む、早めに帰ってきてくれへんか…?》
「え〜…」
別に大阪に帰りたくない訳じゃないんだけど、もう少しこっちでくつろぎたかった。でも白石が心底辛そうにお願いするもんだからしょうがなく了承した。
「んー、じゃ、明日帰るわ」
《ほんまか?!おおきに!助かるわ》
「おー、じゃ明日夕方くらいにでも顔見せに行くかな〜…どーせ部活やってるだろ?」
《おん、頼むわ》
「はいはい、じゃーなー、おやすみ」
.
.
.
.
「という訳で今日帰る」
「は?!納得いかないっすよ!」
「ちょ、赤也近い近い近い」
帰る理由を話せば更にブーイングが起きる。赤也は前のめりになりながら俺に抗議してくるし、ん〜まいったな。
「赤也。名前が決めた事だお前がどうこう言える権利はないぞ」
「ちょ、柳先輩!」
さすが参謀、話が分かるぜー。助かる。
「赤也ごめんな?俺ももう少しいたかったよ?またこっち遊びに来るからさ、な?」
「んー」
頬っぺた膨らます赤也が超絶可愛い
「はいはい、ちゅー」
「わっ」
せめてものお詫びにほっぺにちゅーしてあげた。
「また来てくださいよ?」
「わーってるよー!」
140114
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