◇◇◇カルマside
「み、皆!!大丈夫ですか!?」
何処からともなく現れたのは奥田さん。地面に伏せていた他の男子生徒もその声に、それぞれ殴られたところを摩りながら起き上がる。
「…良かった。奥田さんは無事で」
奥田さんだけでも無事だったことに、渚はホッとした表情を彼女に向けた。
「…ごめんなさい。思いっきり隠れてました」
自分だけが無事なのが罪悪感なのだろうか、申し訳なさそうに顔を伏せ頭を下げた…、その直後、
ガンッッ!!!!!
皆の耳に響いてきたのは、何かを思い切り叩きつけたような、そんな音。
「…カルマ君」
そう、カルマが近くのゴミ箱を力任せに蹴った音。中からゴミが散らばり辺りに広がる。
「くそッ!!……車のナンバー隠してやがった。多分盗車だしどこにでもある車種だし犯罪慣れしてやがるよあいつ等。
通報してもすぐ解決はしないだろうね…ていうか俺に直接、処刑させて欲しいんだけど。
遊乃の落とし前もきっちりつけさせてもらう」
先程の光景を思い出したのだろうか、額に青筋を立てて、ぐっと拳を握りしめるカルマだった。
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