『………』
職員室の扉前。無事たどり着いたは良いものの中々に、扉を開けずにいる私は、無言で無機物と睨み合いを続けること約70秒。
だって職員室なんて何年ぶり!?ただでさえ19歳ってことで異様なのに!!この場に居ることに対して違和感しかないのに!!
い、...や、何をビビってるのよ。落ち着きなさい大丈夫よ、ノックして扉を開く、そうそれだけよ。ドアを開くだけの簡単なお仕ご((ry
『……し、失礼…しま、す』
馬鹿なこと考えながらに、勇気を振り絞って開いたドア。古い建物なだけにギギッと派手な音がして中に居たものと即座に目が合った。
『…烏間…』
それは恨んでも恨みきれない相手で、全部こいつのせいだ。依頼を受けたのは私だがこいつのせいだ。そうだ全部こいつが悪い。うん……うん。
「久しぶりだな姫龍、時間通りだ。クラスの皆には既に伝えてある。ついて来い案内する」
『!?あ、あっ…と、ちょ、まっ…』
私の心情を知らぬのを良いことに、文句の一つを言う間もなく、早々にクラスに案内しようとする烏間の腕を掴み、思い切り引き止める。
その瞬間、こちらを向いた彼の表情といえば眉間にシワがよって、不満を隠す素振りもなく低い声が誰も居ない廊下と私の胸を突き刺した。
ふざけるな、なんだもクソもあるか!こちとら心の準備とやらがまだなんだ!いや、そんなもの整うわけもないが、流石にずっと引き止めておくわけにもいくまいし、私もそこまで子供ではない。いい加減、腹をくくらないと。
『ごめん、文句の一つも言えないし!緊張して思わず』
「安心しろ 紹介は俺からする」
あら、それはなんとも有難い。掴んでいた袖を離し大丈夫と伝える…そして、歩き出した。
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