03





「うん?」

自分の声によって起きた私は明るく顔に当たる光を腕で遮る。
何かを見ていたみたいだが、なんだったのだろう…
なんか虎的なものを見た気が…まっ、いいか
もうそろそろ、起きてもいい時間だろうな。時計がないから正確な時間が解らないが…
伸びをしてから布団から出る。少し肌寒いが我慢できないほどではない。
ちょうど秋くらいの温度だ。
簡易コンロやシンクがあるのでそこで顔を洗い、髪を手櫛で整え部屋を出る。

……ファイさんの部屋ってどっちの隣なんだろう?右?左?

うろうろ私の部屋の前の扉の前で右左へと動く。
聞いておけばよかったなぁ、どうしよう

「……」
「どうしよう…」
「…あの」
「え?……あ!……おはようございます」
「おはようございます。こちらにあなた方のお仲間さんがいらっしゃいますよ」

まっすぐな黒髪の女の人が私に声をかけてくれた事により、私は無事ファイさんたちの元へとたどり着くことができた。
ちなみに黒髪の女の人は嵐さんと言って私の着替えなんかもしてくれたみたいだ。
美人でいい人。
ついでに、空ちゃんは嵐さんの夫で空太さんというらしい。男の人だったみたい。勘違いしてすみませんでした。バリバリの関西弁で少し焦った。早口すぎる。

この世界に来る前の世界であった女の人は、侑子さんというらしく彼らも侑子さんにお世話になったらしい。その関係でこの世界にいる間の面倒は見てもらえることになったみたいだ。
小狼君と黒鋼さんともやっと自己紹介ができて、一応ここにいる人の名前を知ることができた。

そして目的も、

小狼君は、サクラさんという人のために記憶である羽根を集めるため異世界を回る。
黒鋼さんは自分の元居た世界に戻るため。
ファイさんは元居た世界に居たくない、だから世界を回るため。

確かに、これは結果的に一つの願いとなる。
侑子さんはその願いを叶えたのか…
私の願いと対価も込みにして、
…私はお願いをした記憶も対価を払った記憶もないが…


この世界には、サクラさんの羽根があるらしく、それを手に入れるまでは次の世界にはいかないと自慢げにモコナが話してくれた。
という事で、
「つうわけで、部屋ん中でじっとしとってもしゃない。サクラちゃんの記憶の羽根を早よ探すためにもこの辺、探索してみいや」
「「はーい」」
「「はい」」
「……」

服を嵐さんから借りて街を探索するため、空太さんの出勤に合わせて下宿屋をでる。
空太さんが教師というのにびっくりした。
確かに空太さんみたいな先生だったら古典とかも楽しそうだ。

この国のお金は虎という呼び方で使い方も大体私の世界と同じ感覚だ。
使いすぎないようにと、カエルさんのかまぐち財布を小狼君に渡す空太さん、
確かにこのメンバーでは彼が適任だろう。黒鋼さんはいらないところで使いそうなタイプだし、ファイさんは金銭感覚がここの世界とは違う感じだろうし、私は持たせたらそのまま無くす自信がある
モコナは論外








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