04
街に繰り出せばそこはまさに
「コンクリートジャングルだ」
「こん?なんですかそれ?」
「う〜と、ああいう大きい建物とかが何個も建っている風景の事?かな」
「?」
コンクリートという言葉に馴染みがないらしく聞き返してくる小狼君
観光客丸出しの三人組に後ろから歩いている私とモコナがクスクス笑いながら建物やそこら辺にある物の説明をする。
ちゃんと聞いてくれるのは小狼君とファイさんだけだが…
「小狼君はこういう建物見たことあるの?」
「ないです。」
「瑠璃ちゃんは説明できるくらい知っているみたいだし、黒たんは―――?」
「ねえよ!んでもって妙な呼び方するな!!」
誰もこの世界のものを見た事がないという事は私がしっかりしないといけないという事でしょうか?
私にそんな大役が務まるかどうか…
「瑠璃ちゃんどうしたの?難しい顔して」
「いえ、この世界での行動の仕方について考えていただけです。気にしなくて大丈夫ですよ」
「行動の仕方?」
「危険に巻き込まれないようにするのと、サクラさんの羽根の探し方についてです」
「そうか、この世界の事は瑠璃ちゃんが一番解りそうだもんね」
「……サクラさんの羽根を無事に探せるかどうか…まだわからない情報が多いです」
「モコナもまだ場所を特定できてないみたいだしね」
ファイさんと一緒に小狼君の頭に乗っているモコナを見る。
可愛らしいモコナは堂々と喋っているが、この世界ではモコナみたいなのが喋っても当たり前という感じで周りも過ぎていく。
さらに言えば、すれ違った女子高校生に可愛いといわれデレデレと頬を染めている。
歩くこと数分、商店街に来たらしくお店が立ち並んでいる。
「らっしゃい!お、兄ちゃんたちリンゴ買っていかねえかい?」
「え?それリンゴですか?」
「これがリンゴ以外のなんだっちゅうんだ!」
八百屋のおじさんが差し出してるのは真っ赤に熟した立派なリンゴだ。
びっくりしたように聞き直している小狼君の世界では、リンゴは黄色だそうで、
「そりゃ、梨だろ」
「私も梨だと思います。」
「いえ、梨はもっと赤くてヘタが上にあって…」
「それ、ラキの実でしょ―――?」
「イチゴじゃないんですか?それ」
連想ゲームを繰り返していた私たちにしびれを切らしたように、八百屋のおじさんが叫んだ。
「で、いるのか!いらないのか!」
「いる―――!!」
「え!?」
「まいど!!」
私たちが答えるより早く口を開いたモコナにより熟したリンゴはお買い上げとなった。
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