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ローと少し真面目な話をしてから数分、雪山を歩きながらルフィさんを探しているとさっきのロボットさんを手に持った雪男の人と遭遇した。
「ロボットさん助けるでしょ?」
「そのつもりだ」
「おォ!!お前…!!いい所に…今”麦わらのルフィ”がここに…」
スッ……ズバン!!!
「え!?……!!ぬあ!!!てめェ何のつもりだァ〜〜!!!」
「”カウンターショック”」
スコッチさんかロックさんかは分からないけど雪男さんを気絶させたローに続いて私は落下するロボットさんの元へ飛んで行く。
「あっ、あんたさっきの…!」
「こんにちは、さっきぶりです!ロボットさんこのままじゃ落ちちゃうので私に捕まってください!」
「え!?でも捕まるってどこに捕まればいいの!?」
「どこでもいいです!足でも!はやく!」
ロボットさんは鎖で縛られながらも私の足を掴んだ。ロボットさんぐらい大きな人を連れて飛んだことはないけど、かなり重い。翼の力がなければ仲良く落下していたと思う。重くてかなりよろよろとしながらだがなんとか下まで運ぶ事が出来た。
「ありがとう、助かったわ!」
「小せェのにフランキー持ちながら飛べるのか〜!いいなァおれも乗せてくれよ」
「えへへ、普通なら無理なんですけど、翼のおかげです。天使の翼ってかなり頑丈なので一人くらいなら一緒に飛ぶ事ができるんですよ。さすがにロボットさんは今までで一番重くて大変だったんですけどルフィさんなら大丈夫だと思い」
「大丈夫じゃねェ」
「え?いや、でも私シャチくんと飛んだことあるし」
「ダメだ。あの時もおれの許可なしにやっただろう」
「え〜なんでだよトラ男〜!いいじゃんか別によ〜!!」
「そうだよ!何でダメなの?」
「うるせェ。おれがダメと言えばダメだ。異論は認めねェ」
「ふ〜ん、やっぱりね。あんまり独占欲の強い男は嫌われるわよ」
「そうだぞトラ男!空飛ぶぐらいいいじゃねェか」
「あまり誰かを連れて飛ぶと病気になるからダメだ」
「そうなのか!?じゃあダメか。わかった、諦める」
「はァ うちの船長が騙されやすくてよかったわね。あんたがこの子のこと好きなのはよくわかったわ」
「何のことか分からねェな」
「私もロー大好き!世界で一番好きだよ〜!」
ロボットさんとローの会話を聞いて私は自然と笑顔になった。他の人から見ても私達は仲良く見えるんだと思えて嬉しくてその場を飛び回る。
「やっぱカッチョイ〜なぁあの羽!!」
「よかったわねー。世界で一番好きですって。あの様子じゃ肝心なとこが伝わってないみたいだけど」
「余計なお世話だ」
ムスッとした顔のローは私と目が合うと何故だかそばにいたロボットさんに笑われていて、更に機嫌の悪い顔をしていた。
「ロー!どうしたの?そんな怒った顔して」
「別に。お前には関係ねェ」
「何言ってんだトラ男、ナミとサラの話してたじゃねェか。伝わってるとか伝わってないとかよ。ウソはダメだぞ!」
「…てめェ麦わら屋!!!」
「あんたも面倒くさい男に好かれたもんね」
「ローの事ですか?」
「ええそうよ」
「大丈夫ですよ、私もロー好きですから!」
ロボットさんにそう答えると無言でポンポンと頭を撫でられた。不思議に思ってロボットさんを見ているとなんだかさっきのモネさんの目を思い出す。何か、どこか似ている感じの目つきに既視感を覚えたがローに呼ばれて考えるのをやめた。