00

今から遡ること二年前ーー。世界を揺るがす頂上戦争において”死の外科医”トラファルガー・ローとその仲間達は瀕死状態の麦わらのルフィ並びに海侠のジンベエをマリンフォードから救出した。

ハートの海賊団の船長兼医者でもあるローがルフィとジンベエに処置を施し、彼らは一命を取り留めた。だがそこにもう一人、彼らの処置にあたって欠かせない人物がいた事を人々は知らない。

癒しを司る熾天使、ラファエルの生まれ変わりとされ、政府から”天の内科医”と呼ばれる背に大きな翼を持つ天使の少女サラはルフィとジンベエの治療に大いに活躍した。直ぐに完治とまではいかないものの、ローの外科手術と併せて彼女の治療は致命傷のはずの二人に劇的な回復力を見せた。

そんな彼女は今、新世界ーー”偉大なる航路”後半の海にあるパンクハザード島にいた。

己の船長である”死の外科医”トラファルガー・ローと共に。

4年前の事故以来完全に封鎖された無人島に似合わぬ白く淡い光を放つその姿はまさに天界からやってきた天使そのもの。

生まれつき治癒の能力が備わっている天使族の少女と”死の外科医”トラファルガー・ロー。これから先のローの目的を知るサラは苦い表情をしながら彼を見守る。

復讐を遂げるために七武海に入ることまでしたローを止めることなど出来はしない。

そのことに研究所の一室でしょんぼりと肩を落とすサラの姿をシーザー・クラウンの秘書、モネが見ている事など気付かずサラはローの元へ向かった。