03



「で?なんで柳瀬サンまで奢んないといけないんスか?」

「紫原、私やっぱ帰る」



黄瀬ちんはのっけから何言っているんだろうか。やっぱり2人は合わないようで未だに牽制し合っている。
そして帰ると言いつつもハンバーガーは持って帰ろうとする星弥ちん。



「ごめんね星弥ちん黄瀬ちん馬鹿だから。お願い、話だけでも聞いたげて?」

「ヒドっ!?紫っち、ヒドっ!?」

「紫原がそう言うんだったら、聞くだけだからな」




良かった、なんとか話は聞いてくれるみたいだ。
ただ、眉間に皺がより、いかにも不機嫌で不本意ですよ、という顔をしているので次、変に刺激すると本当に帰ってしまうだろう。




「ありがとね星弥ちん」

「なんなんスかもー、じゃあ話すっスね。
俺10日くらい前から誰かに着けられてるような感じがして、4日くらい前なんスけど駅のホームに立ってたら誰かに背中押されて……花瓶が頭に落ちてきたり………何回も死にかけてるんスよ」

「警察行けばいいだろ」

「違うんスよ柳瀬サン!視線は感じるけど見回しても誰もいないし、背中押された時だって……!!」

「だから幽霊かなんかの仕業だって?」

「うん……」

「じゃあ俺じゃ無理だ」

「え!?」

「だって俺レイカンとかねーし」

「俺だってねーっスよ!他の皆にも自意識過剰だ、被害妄想だって言われても、もう頼れるの紫っちしかいないんス………」

「ってか黄瀬ちん駅で背中押されてって、大丈夫だったの?」

「気がついたらホームに座り込んでたんス。誰かが手を引っ張って助けてくれたような気がするんスけどあんま覚えてなくて」

「ふーん、そう。ねぇ、星弥ちん原因わかる?」



ここでずっと黙ってハンバーガーを貪っている星弥ちんに話を振ってみる。
突然話を振られて焦ったのか口の端からパンくずがこぼれ落ちた。



「は?なんで柳瀬さんが?」

「だって星弥ちん、幽霊見えるし、俺も助けてもらったし」

「……は?マジっスか?」

「紫原……私は聞くだけだって、」

「星弥ちんわかってんなら教えてあげなよ。原因さえわかれば自分で何とかするかもだしさ」

「原因ねぇ……」

「柳瀬さん、お願いだから教えて欲しいっス……俺、死にたくないっスよ……」

「ふーん…自分勝手な奴」

「なっ!?」



そう冷めた声で言い放った、やっぱり朝のことやさっきのことは大分根に持ってるようだ。
目付きもいつもよりどことなくキツいような気がする。



「まぁいいや教えてやるよ。原因はな──





2014.11.18 完成
2016.06.16 加筆修正


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