04



自分の喉が乾いていくのがわかる。
星弥ちんがそんなに引っ張るなんて、黄瀬ちんは一体どうなっているのだろうか。
そんなに深刻なことなのだろうか。



「……あ、これ言わなきゃダメな感じ?」

『……は?』



気の抜けた声が黄瀬ちんと重なる。
いや、教えてやるよって言ってたのはどこの誰だよって突っ込みたいけどここで機嫌を損ねると一言も話してくれなくなるから、ぐっとこらえる。



「ちょ……今言うかんじの雰囲気だったじゃないっスか!」

「や、知らねーし、雰囲気とか空気とかくそくらえ」



前からわかっていたが、この子メチャクチャだ。
頭が足りてないのか、天然なのか、その両方か。流石にこれは俺もフォローできない。



「……このハンバーガー俺お腹いっぱいで食べれないから捨てちゃおっかな、でも勿体ないしなー。紫っち食べる?」

「言うからください、お願いします」



黄瀬ちんも星弥ちんの扱い方がわかってきたようだ。
いささか、扱いが動物か幼児のようだが。



「黄色さ、最近女の子関係でなんかあった?』

「黄色!?ってかなんで知って……。あったっスよ、女子に告られて、ちょっとムシャクシャしてて強めに振ったっス」

「わぁ、黄瀬ちんサイテー」

「あー、多分それだ、呪われてるよ。呪詛…しかも厭魅な、依り代壊さないと死ぬかも」

「死ッ……ヨリシロってなんスか?」

「あ、えーっと、呪いで使う人形みたいなもん。まぁ、壊しても新しいの作られるだけだけど」

「じゃあ、どうしたら……」

「知らね。呪い解けるまで、ってか事件解決するまで女子に近づくなよ。女子がお前がフッた女に逆恨みされて殺されるかもしんないし」



あー、じゃあさっちんも星弥ちんも危ないかもしれないってことか。
まったく黄瀬ちんは、シャラシャラしてるからこんな事になるんだ。



「そ、そんな」

「以上、帰る」

「ま、待って下さいっス!助けて!」

「嫌だね。今回は黄色の自業自得じゃん。まだ理不尽な呪いとかなら助けたけどさ。
それにさっきまで私にさんざん喧嘩売ってきてたのに助けるほど、器広くないよ私」

「そんな……」

「じゃーなー、ごちそうさま」

「うん、ばいばーい」



やっぱり星弥ちんは手厳しかった、黄瀬ちん泣いてるし。
仕方が無い、ちょっとだけ優しくしてやろう。



「今日、家まで送ろうか?」

「紫っち!!大好き!!!」



俺の名誉のために言っておくが俺に男色の気は無い。





2014.11.27 完成
2016.06.16 加筆修正


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