06



「いった〜……」



危なかった。
足に照明が掠った時はヒヤッとした。
黄瀬ちんってばめっちゃ泣いてるし。
顔きたなっ、ほんとにモデルなのか疑わしいほど汚い泣き方だ。



「む……紫っち……!!」

「きーちゃん!むっくん!!」

「紫原、大丈夫か?」



皆が我に返って心配して駆け付けてきてくれる中、突然体育館のドアが開いた。
そこには何故か般若の形相の星弥ちんが仁王立ちしていた。



「なにがあった?」

「なんで星弥ちんがここに?」

「たっ、たまたま通りかかった」



下手くそな嘘に思わず笑みがこぼれた。
星弥ちんは用事がなければ放課後は真っ直ぐ帰るはずだ。なのに正門とは正反対のこの体育館の前を通りかかるはずがない。
結局、憎まれ口を叩きながらも俺達のことを気にかけてくれていたんだ。


「そっかそっな。何があったかだよね?さっき黄瀬ちんに照明が落ちて来てさ」

「む、紫っちが…俺をかばって……」

「…………」

「星弥ちん……?どうしたの?」

「くそ……黄色ならまだしも私の友達に怪我させるとか許さない……」



星弥ちんまじ男前、抱いて。
なんて、冗談はさて置き。
相当頭にきてる星弥ちんを宥めるかどうか悩む。このままにしておいたら黄瀬ちんの件を解決してくれそうだ。



「黄色!!」

「はっ、はい!?」

「これ終わったらマジバ行きたい」

「おごるっスよ!一緒に行こう、星弥っち!!今日も昨日もごめん!」

「ん」



そう言って星弥ちんは部室の方に歩いていった。
どうやらうまくいったようだ。





2014.12.04 完成
2016.06.16 加筆修正


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