04
もう嫌だ。
怖いし帰りたい。
「ねーねー星弥ちんー?どこ行くのー?」
「ちょっとそこまで!」
ちょっと、ト○ロのメイちゃんの真似したって可愛くなんか、いや、正直に言おうくっそ可愛い。どこまでもついて行きます。
「あ、きた」
「……え?みどちん?」
前方からみどちんが無表情でこちらに向かって走ってくる。
赤ちんが満面の笑みで早足で追っかけてくるくらい怖い。
しかしみどちんの後ろに着いているものの方が怖かった。
みどちん憑いてる、憑いてるよ。
「柳瀬!紫原!逃げるのだよ!」
「ぬおっ」
「あ、ちょ……」
俺達も慌てて走り出すがそこまで足の速くない星弥ちんはすぐにみどちんに追いつかれた。
見かねたみどちんは星弥ちんの手を取り引っ張る。
これが化物から逃走中でなければ星弥ちんと手を繋ぐなんてうらやまけしからんことは許さないが仕方が無い。
みどちんのお陰で星弥ちんがアレに追いつかれずにすんでいるのた。
「てかあいつ早くない!?」
「だから急げと言っているのだよ!!」
「急げは初耳だし!」
「なんで走ってんだよ」
「いや、普通走るだろう!!」
「いや、普通走るでしょ!!」
それにしても、最近は誰かとよくセリフが被る。
「なぁ緑色、助けて欲しい?」
「っ………今、逃げきればいいだけなのだよ」
「ちょっ、変なプライド捨ててよ!?俺の命も掛かってんだからね!」
「今逃げ切ってもまたくるぞ?どうする?」
「〜〜っ……助けて……欲しいのだよ」
「了解、じゃあ水土里、手離してよ」
「!?!すっ、すまない!!」
照れてんなよ、この腐れ眼鏡の変人が。
おっとキャラ崩壊が。
「紫原ァ!!」
声に出ていたみたいだ自重、自重っと。
俺がキャラ崩壊してる間に何故か星弥ちんはテケテケ(と思われるもの)にアイアンクローを決めてた。
テケテケのあたまがギチギチと遠慮なく絞めあげられている。
”いたい!いたい!いたい!”
「うるさい」
”いやー!!マジでいたい!離して!ごめんなさい!!!”
「うーるーさーいーでーすー」
”いぎゃぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁ!!”
テケテケの悲鳴が聞こえる頃には#(名前は#ちんがテケテケに床ドンしていた。
いや、床ドンと言うのは少しばかり語弊がある。
星弥ちんがテケテケの後頭部を鷲掴みして床、というかwayにドゴォォォォォンしたのである、実に痛そうだ。
決してテケテケが星弥ちんに対してトゥクンするシチュエーションではないことをご理解頂きたい。
そんな床ドンなんて出来るモンなら俺が星弥ちんにしたい。
まぁ、その床ドンならぬ道路ドゴォォォォォンでテケテケは消えた。
「適当だな」
「なに?眼鏡かけるとみんなサトリになるの?妖怪なの?」
「違うのだよ!声に出ていただけだ!それにその人の登場はまだなのだよ!」
なんと、また心の声が口に出ていたらしい。
最近お口のチャックが緩いようだ。
それにしても発言がメッタメタである。
一瞬、「メッタメタにしてやんよ」という某笑顔動画の曲風のフレーズが浮かんだがよく考えたら某ガキ大将の「メッタメタのギッタギタ」というフレーズの方がしっくりきた。
という、至極どうでもいい話だった。
「紫原本当に最近キャラをどこにやったのだよ」
「星弥ちんが食べた」
「私だって食べるもんくらい選ぶし」
何それひどい!お母さんそんな子に育てたつもりはありません!と裏声で言ってみると両者から冷ややかな侮蔑を含んだ視線を向けられた。
「ゴホン……なにはともあれ、助かったのだよ柳瀬」
「ああ、別に」
「それじゃあ俺は帰るのだよ」
「は?」
「は?」
「捻り潰す?」
「私がタダで助けると思ってんの?」
「……なにが望みなのだよ」
誰もつっこんでくれなかった。
ツッコミのみどちんには是非とも仕事をして欲しいものだ。
「紫原の勉強の教え方意味解んなくて使えねぇから代わりに教えて下さい」
俺、いい加減泣いてもいいと思う。
2014.12.13 完成
2016.06.17 加筆修正
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