「だって黒子、おそらくロリであろう人物がお前の部屋にいるんだって。ある種の業界では御褒美だよ」

『……』

「そ、そんなジト目で見んなよ、場を和ませたかっただけなんだよ」

「ありがた迷惑です」

「緊張感もとうよー」

「そうっスよ!黒子っちの命がかかってるんスよ!」

「僕がどうなってもいいっていうんですか?あ”あ”?」

「ごめんなさい」


黒ちんが怖すぎる。
黒ちんはギャップが激しすぎると思うのだ。薄幸美少年って感じの見た目をして怒る時は迫力があるし、多少の揉め事等なら力技で片付けようとする。



《もしっもし、ひぐっ私メリーさん》

「あ、メリーさん泣いてるっスよ」

「俺らがほったらかしにしてたからでしょー?」

「ですね」

「ごめんよ、メリーさん」



半笑いでメリーさんに謝る星弥ちんに、「謝る気ないでしょ」と言うと間髪入れず肯定が返ってきた。



《……もう怒った、今すぐあんたら全員殺しに行く》

「メリーさん激おこだ」



あはは、まいったなぁ、とのほほんと笑う星弥ちん。頼むからもう少し危機感を持ってくれ。



「紫原くん、僕は本当に大丈夫なんでしょうか」

「大丈夫だと思うよ、多分」

「めっちゃ怒ってたから多分あと1分くらいでこっちくんじゃね?」



その言葉に俺達3人は凍りつく。
そんな軽く言われても、相手は俺達を殺しに来ているというのに。



コツコツコツコツ

”黒子くん、どこー?ねぇ、早く出てきてよー”

「!?………ッ」



もう、来た。
少し速すぎやしないか。
ヒュッヒュッと浅い呼吸を繰り返す黒ちん。
それを見かねて声を掛けようとした黄瀬ちんを星弥ちんは制した。
黒ちんの携帯を見つめたまま「あとちょっとだから、黙ってて」と落ち着いた声音で言い放った。
しばらく4人で携帯を見つめていると、また携帯が震えだした。



「…もしもし」

《”見ぃーつけたァ、もしもし私メリーさん、今ね──────────────


──────黒子くんの後ろにいるの”》



2014.12.20 完成
2016.08.22 加筆修正


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