”ひとりかくれんぼ”
なんかのゲームで負けて罰ゲームとしてすることになった。
柳瀬と幼馴染みだからそういったモンがやばいってーのはわかってるつもりだ。
けどここでやめたらビビリと思われる。
それだけはいやだ。
おい、”子供だな”と思ったやつ表でろ。
子供だよ、ぴっちぴちの中学生なんだよ。
とか言いつつ着々と準備を進める俺って素敵。
あ、自分で言っててむなしくなった。
ちなみに開始は8時から。
3時からとか学生が起きてていい時間じゃねぇ。
ヌイグルミは隣のト〇ロ、ヌイグルミの名前は星弥だ。
考えんのめんどくせぇからあいつの名前借りた 。
つかト〇ロの腹を裂くのは躊躇った。
ってやってるうちに8時だ。



「最初の鬼は修造だから、最初の鬼は修造だから、最初の鬼は修造だから」



松岡の方じゃねぇぞ、と心の中で付け足す。
ボケてねぇと怖ぇんだよ。
ヌイグルミを風呂桶に入れる。
次は家中の電気を消してテレビつけて目を瞑って10秒数えるんだったな。



ザーーーーーーーーー



砂嵐の音が怖い 、マジで怖い。
こんなことするんじゃなかった。



「いーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく、しーち、はーち、きゅーう。じゅー」



よし数え終わった。
風呂場に向かってヌイグルミがあるか確認する。



「星弥見つけた、次は星弥が鬼ね」



言い終わると同時に寒気がし、その場を逃げるように離れる。
包丁の刺さったト〇ロ怖ぇ。
急いで塩水を持って押入に隠れる。
すると急にあたりの温度が下がったような気がした。
いや、実際寒いんだ、歯の根があわない。
そんな中でなにか音が聞こえた。
いや、音じゃない、”声”だ。
だんだんと近づいてくる。
どうしよう、怖すぎて気絶するかも。こんな馬鹿なことするんじゃなかった。



カタンッ



すぐ近くで物音がした。
そっと、ふすまの隙間からのぞいてみる。



「っ!!」



思わず声を出しそうになった。
ふすまの向こうにいたのは包丁をもったト〇ロ。
見つかったら殺される、何故か理由もなくそう断言できた。
それほどにそのヌイグルミから殺気のようなものが滲み出ていた。







あれから何時間こうして蹲ってただろうか。



がしゃーーーん



ガラスを割ったようにけたたましい音が鳴る。
あいつが暴れてるのか?
だんだん足音が近付いて来る。
しばらくすると突然足音が止まった。
それと同時に感じるふすまの前の気配。
俺はもうほとんどパニックにおちいっていた。



ガラッ



急に開いたふすま。
あぁ、俺はここで死ぬのか。



「 み ぃ ー つ け た 」




2015.01.14 完成
2016.08.23 加筆修正


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