隣の銀髪


私は獄寺隼人が嫌いだ。

目付きは悪いし、態度も悪い。
授業中なんて教師にガンとばして、謎の文字を書くか寝ているか、もしくは沢田へ熱視線を送っている。

授業以外でも沢田にべったりで、よく山本と右腕とか、肩甲骨だとか言い合っている。

タバコは吸うし、爆発起こすし、起こりっぽくてケンカはよくやるし。
いつでも怒鳴っていて、おまけにアクセサリーはジャラジャラ付けていてうるさいし。

沢田たちとなんかコソコソやっていて、急に居なくなって、そしたら傷だらけで帰って来るし。
帰って来てもまたすぐに居なくなって、だけど何も教えてくれないし。

「それなのに何もなかったみたいにしてるし、頭は私よりいいし、ケンカ強いし、アクセは似合っていてカッコイイし。だけど沢田とか不思議なことの前だと笑顔がカワイイし。でも私が隣にいても手すら繋いでくれないし。」

だから嫌いっ、と言えばバカじゃねぇのと一言。

「バカじゃない。私にとっては切実なんだよ、隼人」
「うるせぇ。面倒くさい」

それだけ言うと隼人は立ち上がって、教室から出ていこうとした。
久しぶりに一緒に帰れることになって、ずっと我慢してたことをついぶつけてしまって。
だけどめんどくさいはないよね。それなりに心配してたのに…。

ため息をついて、カバンを背負いドアへ向かう。

「……遅ぇ。」

…なんだよ。ドアの外で待ってるとか反則だ。

「…やっぱキライ。」
「訳わかんねぇよ。」

早く帰るぞ、と手を引かれる。
驚いて見上げると、不機嫌そうな顔で、だけど耳まで真っ赤で。

「…隼人。」
「勘違いすんじゃねぇぞ」
「えっ?」

グイッと引きよせられ、耳元で囁かれる。

「好きだ。名前」

すぐに離れて、また歩きだす。手は繋いだままで。

「…隼人」
「あ?」
「やっぱ大好き。」
「知ってる」

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