私は北海道行の新幹線に乗っていたはずだったんじゃ…?
確かに私はキャリーを足の間に挟んで終点まで寝入っていた。
何かすごく寒いと思って目を開けるとそこは明らかな外だった。
私は倒木の上に座らされていた。
キャリーは隣に鎮座していた。
意味が分からない。
っていうかここどこ。
携帯で位置情報を見ようにも電波がない。
最悪だ。
見渡す限り木と草しかないのでどこかの森らしい。
新幹線から急に森とかマジで意味わかんない。
キャリーを持ちながらとりあえず移動してみる。
厚底ニーハイブーツが景色と不釣り合い過ぎて笑う。
しばらく歩いても誰とも出会わない。
そもそもここは本当に北海道なの?
何もわかんない…
電波を失った現代人はこうも非力なの…
まあでも森なんて来たこともないし楽しむしかない!
何かの鳴き声や風の音が心地いい。
友達も呼びたい。
風景の写真と自撮りを撮っておく。
木に何か弓矢の絵が描かれている。
人が近くに住んでるってこと??
こんな山奥に??
「待て!」
「?!」
「アマッポがある!進むな!」
「何なの?!」
とにかく止まって足元を確認すると紐が張ってある。
よくよく見ると近くに矢が設置されている。
なるほど、これがアマッポ…?
振り向いて声の主を確認すると、そこには女の子がいた。
ヘアバンドを巻いて、綺麗な髪が風に揺れていた。
手には弓を持っているから弓道でもやってるのかな?
「ねー!ここどこなの?ってかここで弓道とかやってんの?寒すぎじゃない?」
「な、なんだお前は!」
キャリーを持ちながら近付くと女の子に怪訝そうな目で見られる。
「私は美優。目が覚めたらここにいたんだよね。マジでここどこなの?」
「ここは小樽だ」
「新幹線って札幌着のはずなんだけど…?」
「…迷子か」
「なんかそうみたい。やばいどうしよう…泣いていい?」
「泣くな!もう日も暮れるから私のコタンに来るといい」
「わかんないけどありがとう」
「私はアシㇼパだ。美優、よろしく」
キャリーがそろそろ重くて手が限界だけど何とか頑張った。
遠いし、ㇼパちゃんは歩くの速いしで辛かった。
私がちゃんと着いてきてるか気にしてくれるし、なんてしっかりした子なんだ…偉いね…
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