北海道の冬は寒い。
秋から私はニットの作成に取り組んでいた。
近所のおば様方に指導を受け、型紙を作成し、何とか第一号ニットが完成したところだ。
編み物も出来るなんて…私は天才かもしれない。
軍服の下に着るとモコモコしてあったかい。
私もガッキーみたいな暖かそうなモコモコが欲しいと言ってみたがサイズが合わなかった。
散歩でもするか。
歩いたら暑くなったのでニットは脱いだ…。
西日が差してきたのでお手伝いをしに炊事場に向かった。
今日はチャーハンだ!
チャーハン美味しい。
数日試作を行い、満足いくレシピが完成したので採用してもらったのだ。
その日はなんだか夕方から兵舎内が慌ただしかった。
夕方にもなれば大体の事は収束して、あとはご飯とお風呂と寝るだけって感じなのだけど。
呑気にチャーハンを食べてから、食事を取りに来た軍人に話を聞く。
何と百ちゃんが大怪我をして帰ってきたらしい。
なんてこと…
私は医務室まで走った。
医務室に行ってみたものの何やら処置が大変だったらしく、百ちゃんの顔を見れたのは夜が更けてからだった。
「顔がパンパン…痛そう…」
「勅使河原…」
「つるみちゅ…百ちゃんはどうしたの?」
「夕方川岸で見付かったんだ。尾形上等兵の看病の手伝いを頼めるかな」
「それで何かわかったら伝えればいいんだよね?」
「理解が早くて助かるよ」
つるみちゅはそう言って部屋を出ていった。
顎の骨が割れていたらしい。
痛そう…
想像しただけで泣ける。
医務室にいた看護師に何かできることはないか聞いてみる。
検温をして傷の状態を見るぐらいらしい。
本日医務室にいるのは百ちゃんだけだ。
私が見ておくと言って、彼女には休んでいいと伝えた。
傷のせいで顔周りが腫れ上がっている。
辛そうだ。
両顎の傷に貼られたガーゼを少しめくると、縫われた傷が見えた。
痛い無理……
特に出来ることもないので手を握っておく。
冷たい手だった。
その時何かが始まりそうで怖かったのを覚えている。
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