私は基本滅茶苦茶暇なので、毎日百ちゃんの病室に通って編み物をする生活を送っていた。
数日すると百ちゃんが一度だけ目を覚まし、私の手に「ふじみ」と残した。
それをつるみちゅに伝えるとつるみちゅはニヤリと笑った。
数日すると「ふじみ」の捜索が始まった。
兵舎はいつもよりずっと静かで、私はお弁当作りに精を出した。
それが終わると彼等は夜まで帰ってこないので、百ちゃんの病室で編み物を始めるのだ。
医務室の方々とも今まで以上に仲良くなった。
看護師さんに編み物の腕を褒められた。
やったね!
しばらく編み物をしていると眠くなったので、百ちゃんの隣にあった空ベッドで寝ていたら怒られた。
そんな日が数日続いた後、「ふじみ」が見付かった。
お団子のおつかいを頼まれて、帰ってみると兵舎内が嫌な雰囲気だったのだ。
何人か顔馴染みの軍人が返って来ていないが、どうなったんだろう…
お団子をつるみちゅのところに持っていくように言われ、私は足を進めた。
多分そこに「ふじみ」がいるんだろう。
私とそれを会わせてどうするつもりなんだろうか。
「お団子のお届けで〜す!」
「ここに置いてくれ」
私の声に、拘束された見知らぬ男が振り返る。
これが「ふじみ」、か。
私をじとりを睨み付けていた。
「勅使河原、話してみるか?」
「じゃあ……こんにちは?私は勅使河原美優だよ、お兄さんはなんて名前?ふじみってもしかして名字?それなら超珍しいよね〜」
「え…女?」
「彼女は少々事情があってね」
面倒ごとに巻き込まれるのは厄介なので今すぐにでも立ち去りたかったがそれは許してもらえなかった。
見ておけ、とつるみちゅに言われてしまった。
つるみちゅの後ろに立ち、時折窓の外を見たりふじみくんを見たりしていた。
外で警備に当たっている軍人をぼんやり見ていると笑い声がしたのでふとそちらに顔を向けると、不死身くんの頬に団子の串が刺さっていた。
ヒッ、と息を吸ってしまった。
それから彼は別室に連れてかれてしまった。
顔を強張らせたままの私の頭を、つるみちゅが一撫でして部屋を出て行った。
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