どうやら学校ですこしは英語の教育を受けているようで、読み書きは少し出来る様だ。
ただどうしても実際に喋る機会は少なかったらしい。
明治時代であれば英会話教室もないし、日本にいる外国人自体が少ないだろうから仕方ない。
人に何かを教えることなんて今まで一度もなかった。
何が正解か分からない…
「何をすればいい」
『そうだなー…どうでもいい会話からしてみようか』
「…今何と言ったんだ」
「日常会話からしてみようかなって。でもまあまずは耳を英語に慣らす必要があると思うんだよね」
「……」
「これから私がゆっくり自己紹介するから、わかんないとこあれば言って」
それからゆっくり英語で自己紹介をした。
年齢、出身、学歴。
それから今日あった出来事。
途中頭を整理する時間をくれと言われたけど、一通り喋り終わった。
期待はしていなかったけど案外英語はわかる口らしい。
『これで終わりだけど、何かわかんなかった単語とかあった?』
「じゅにあ…とかはいすくーる、とかゆにばー…とかは何だ?」
「明治時代って中学高校大学ってないの?」
「なんだそれは」
この時代は義務教育がないのか…
それからこいとに令和の教育体制について教えてあげると驚いていた。
こいとにも同じように自己紹介をしてもらう。
陸軍何とか学校とかなんとか学校だとか名前が出てきたけどよくわかんなかった。
文脈的には正統派の綺麗な文章だ。
こいとに学校のことについて聞くとそれなりに教えてくれた。
そうこう雑談しているうちに夜も更けてきたので解散することとなった。
空になった湯呑を持ってこいとが部屋を出る。
「いつかお前を追い抜いてやるからな」
「追い抜くとかないから。まあ頑張りなよ」
「キェ……また明日頼んだ」
「ばいばーい」
なんであんなに好戦的なんだ?
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