貰った浴衣が寒すぎて、3枚ぐらい重ねて着ていた。
多分もう4月ぐらいだと思うけれども普通に寒いのだ。
夏用?
酷すぎん?
しかも外から鍵がかけられているらしく、自由に行き来できない。
炊事場に一日分の水を貰いに行って、歯磨きをして窓から水を飛ばすゲームをしていた。
ご飯は気づくと部屋の前に置いてあるので勝手にとって食べていた。
囚人か?
ご飯があるときだけは部屋の鍵が開いているので、その時にトイレダッシュしていた。
何だか走ったりして訓練している兵士を見ることぐらいしか楽しみがない。
つるみちゅも忙しいようで、来るのはこいとぐらいしかいない。
荷物も帰ってこないし。
もう一週間ぐらい経つし風呂にも入りたい。

「おい」

昼食が終わって歯磨きをして、また水飛ばしゲームをしていると窓の外にいる人から声をかけられた。
坊主の方に水を飛ばすと避けられた。

「誰?」
「それはこちらの台詞だ」
「私は美優だよ。坊主は名前なんていうの?」
「…尾形百之助だ」
「ひゃくちゃんはサボりなの?」
「さぼり?」
「道草食ってんの?ってこと」
「まあそういうことだ」

暇なので色々と質問してみた。
つるみちゅのこと、つっきーのこと、こいとのこと。
ここが何の施設で、私はどこらへんにいるのか。
表情は死んでるが、私の質問には逐一答えてくれた。
助かる!

「百ちゃんありがとね」
「…その呼び方はやめろ」
「かわいいからよくない?」
「かわいい?わざわざ未来からきてこんなことになるとは哀れなもんだな」
「ホントだよね?!マジ寒いから浴衣3枚着てんの。うける」
「確かにおかしな格好だとは思ったが」
「っていうか超暇だから毎日話しに来てよ。でも待って、百ちゃんも英語習いたいとか言えばサボらなくても正式に私のとこに来れんじゃね?私天才じゃん…」
「……鶴見中尉殿に進言してみよう」
「やったね!でもそろそろ行かないとサボってんのバレるよ」
「そうだな」
「ちょっと!挨拶してから行きなさいよ!ばいばーい!」

百ちゃんはそのままどこか行ってしまった。
バイバイも無視された。
悲しい……
泣くな、私…

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