◎4

それからのことはよく覚えていない。
自分の中で何かが切れたことは分かった。
後に来る睡魔のために無意識に力を制御していたんだなあと、私はぼんやり思った。
とにかく新隆を助けよう。
それから、それからどうしよう。
新隆を閉じ込めて、私は敵に向かっていった。

どうやって戦ったのかとかそんなことは全く覚えてない。
敵を殺したのか、それとも生かしたのかすらもわからない。
視界はずっとキラキラとしていて、まるで地獄だった。
泣いているからなのか、それともこの力のせいなのか。
私が超能力者だという情報すら消してしまおう。
もう決して誰も傷つかないように。
そのために私がどうなろうと、そんなことはもうどうでもいい。


周りに敵がいないと分かって、私は地面にへたり込んだ。
空に太陽はもうなくて、星が煌めいていた。
それがまた美しくて、何故か凄く悲しくなった。




mae tsugi

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