「花宮くん〜」
「何だよ」
「一緒にサークル行こ〜」
「…ちゃんと着いてこいよブス」
それから俺と由奈さんは普通に仲良くなった。
あの妖怪と仲良くしてただけのことはある。
俺の性格の悪さに由奈さんは完全に慣れた。
ただ口の悪さには慣れないようだ。
今だってブスと言われて完全にへこんでいる。
「何へこんでんだブス」
「ごめん…」
「一々真に受けんじゃねぇよバァカ」
「む…」
しょぼんと効果音がつきそうな顔をして由奈さんが後ろからついてくる。
ペットかよ。
由奈さんはよく笑うようになった。
嬉しいことを嬉しいと。
悲しいことを悲しいと。
そう表情と体で表すことが出来るようになっていた。
「なんや由奈、随分花宮と仲良うなったんやなァ」
「うん。花宮くんって今吉ぐらい性格悪いんだよ〜」
「それはワシも知っとった。まあでも由奈が花宮と仲良うなってくれて嬉しいわあ」
「ありがとうね、今吉」
由奈さんはそう言って笑う。
サトリが少し眉を下げて笑っていた。
二人の間に何があったのか、それはまだ知らない。
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