それからというもの、俺とサトリと由奈さんとの三人で過ごすことが増えた。
由奈さんは以前に比べれば俺に慣れた。
サトリと話してる時に比べれば明らかにぎこちないが。
それでも相変わらず俺には興味がさなそうだ。

「今日の飲み会由奈も行くん?」
「うん。嫌だけどお酒に慣れないとって思ってさ〜」
「由奈って酒弱そうやし今日は飲ませたるで」
「急に行きたくなくなった…」
「嘘や嘘。花宮も行くん?」
「はい。行くつもりですよ」

サトリの前でいい子面するのは疲れる。
それに後でいじられるのがダルい。

「私授業だから行く。また後で」

そう言って由奈さんは席を立った。
サトリはじっと俺を見ていた。

「何だよ」
「由奈を手駒にしようって考えは無駄やで」
「…そんなつもりじゃねぇよ」
「花宮の目が怖いって由奈が言うとったわぁ」
「……」
「由奈を穿ろうとするのはやめたってぇな」

サトリはそう言って笑うと席を立った。
穿ろうとすれば何か出てくるんだろう。
サトリは由奈さんを大切にしていることはこれで十二分にわかった。
あとはどうやて取り入るか、だ。
サトリにはきっとバレてる。
バレてるからこそ俺は絶対に達成してみせる。




 

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