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後ろから口を塞がれたことはわかった。
ついさっきまで話していたはずの男の先輩が笑っていた。
羽交い絞めにされて床に押し倒された。
まさか。
まさか、何で私が。

「木吉さん、今どんな気分かしら」

私に仕事を頼んだ女バスの先輩の声がした。
ああ、私嵌められたんだ。

「あんたがヘラヘラしてんのが気に食わないのよ」

そうだったんだ。

「だいたい今吉君に近寄って迷惑なのよ!今吉君は仕方なくあんたの世話してやってるだけなの!」

そうなんだ。
やっぱりそうだったんだ。
私ってホントにお荷物だったんだ。

「お前がヘラヘラして俺達を勘違いさせたのが悪いんだぜ」

勘違い…?
そういうこと?
私はそんなつもりじゃなかった。
みんなと楽しくやっていきたかった。

「愛想よく男を誘う罰だな」

その男は私の嫌いな笑顔を浮かべていた。
気持ち悪い。
暴れても男三人の力に敵わない。
暴れれば殴られた。
血独特の苦みが口内に広がった。
上から先輩がニヤニヤと私を見て笑っていたのが怖かった。

叫んでも口を押えられていて、声が響かない。
誰も来ない。
シャツが破られた。
肌に触れられると、ぶわっと悪寒がした。
気持ち悪い
嫌だ
誰か。
誰でもいいから、助けてよ




 

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