「降谷先輩」

「ん」

「降谷さん」

「ん?」

「降谷主任」

「なんだ」

「降谷くん」

「だから、さっきから何なんだ」


「どの呼び方が1番いい感じかと思いまして」

「最後のは違うだろ」

「そうですか?私としてはアリなんですけど」

「お前は俺の何だ」

「部下です。先輩」

「何でもいいが、早くその書類を処理しろ。俺はずっとそれを待ってる」

「え、何でもいいんですか?じゃぁ、零くんとかでも?」

「お前は俺の話を聞いてるか?」

「はいはい。書類ですね。もうできてますよ」

「できてるなら早く出せ!」

「できたから先輩に声かけようと思って、そしたらどんな呼び方がいいかなと、そう考えたんですよ」

「いつも通りでいいだろ」

「まぁそうなんですけどね。先輩の顔見たら、ちょっとそういう気分になっちゃって」

「意味分からん」


「くん付けって、ちょっときゅんとしません?」

「はあ?」

「降谷くん」


「……」


「零くん」




「……しない」


「えー。おかしいなぁ。普段きりっと仕事こなしてる年上上司がくん付けで呼ばれてるの、可愛いんだけどなぁ」

「可愛くないし、呼び方は今まで通りでいいから、早くそれを渡せ。それに押印したら俺は帰れるんだよ」

「え!珍しい!先輩、今日はもう終わりですか?」

「ああそうだ。だから早くそれを貸せ」

「そしたらこれチェックしたらご飯食べに行きません?」


「ごはん……?」


「え、なんでちょっと嫌そうなんですか」

「嫌ってわけじゃないが…」

「じゃぁいいじゃないですか。先輩いっつも仕事してるし、たまには仕事じゃない話もしましょうよ」

「お前はいつも関係ない話ばっかりしてるだろ」

「まぁまぁ」

「何がまぁまぁだ」

「おいしいご飯屋さん見つけたんですよー。降谷先輩にも食べてもらいたいんです−。行きましょうよ−!」

「揺するな!誰も行かないとは言ってないだろ」

「え!」

「早くそれを渡せ。ゆっくり食べる時間がなくなるぞ」

「はい!どうぞ!素早く確認してください!」

「はぁ…。帰る用意して待ってろ」

「イエッサー!」




あの人達付き合ってないんですか?


(そんな気はないらしい)


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