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「瑞希〜殺陣の練習付き合ってよ」
案の定瑞希さんはは?という表情で振り返る。
あっけからんとしたひろきくん。
今日は小夜の回想シーンの録音のついでに瑞希さんが稽古場にきてくれている。
そのシーンをみてから録音したい、と自身の稽古もある中駆けつけてくれたのだ。
「さっき見てたでしょ、健人との殺陣」
「みてたけど」
「はい、刀」
拒否権はないらしい。
呆れたような表情を浮かべながら模造刀を受け取る瑞希さん。いつの間にかさっきまで履いていたヒールを脱いでいた。
「お手柔らかにお願いしますね」
模造刀を構えた瞬間2人の目の色が変わる。
さっきの健人くんの動きをベースにしつつするりするりと動く瑞希さん。
そして、まるでそのすべてがよめてるかのように一手たりとも逃さずテンポよく受け流すひろきくん。
それはもう、嫉妬するまでに息がぴったりとあった打ち合い。
瑞希さんが刀を落とし尻をついたところでひろきくんがとどめの一手をいれてようやく終わった。
涼しい顔をしてたのしそうに微笑むひろきくんとすっかり汗をかいて呼吸を整える瑞希さん。
「1回見ただけでわかるんですか?」
「わかるわけないよ..」
「どっちかっていうと染ちゃんのやり方に近かった気がする」
「嘘言わないでください」
ひろきくんから受け取った水をグビグビと飲む姿でさえ美しいとおもう。
思わず見惚れていたところを健人くんが横から小突く。
「お二人って、本当にいつでも息ぴったりなんすね」
まっきーこと荒牧くんが悟ったように呟いたことに思わず噴き出して、稽古場が笑いに包まれた。
ちなみにこの日の稽古にカメラが回っていたことを知っていて嗾しかけたひろきくんは確実に確信犯だし、そのあとの台詞録りのあとにコメントを求められたことでカメラの存在を知った瑞希さんは本当に気の毒だと思う。