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「江口さん、ビールもうなかったでしたっけ」
「なかったなー。壮馬たちが食い荒らしてったからつまみもない」
「買わないとですね」
カートをガラガラと押しながら、江口さんと2人深夜のスーパーを歩く。
半額になったお惣菜を躊躇いなくポンポンとカゴに入れてく江口さんを眺めながら、冷蔵庫の中身をゆっくり思い返す。
明日は久しぶりに1日オフ。
あったかいもの食べたいなあと思っていると、目に飛び込んできた「広告の品」という賑やかなポップと山積みになったシチューの素。
「シチューしません?明日」
「おっいいね」
一箱手にとって江口さんに渡す。
シチューにはワインかなあ、と呟くと、昨日達央さんからワインもらったよ、と。
そういえばなんか昨日どっさり袋抱えて帰ってきてたなあ、と思い出す。
当然のように江口さんがカードで支払いを済ませている間に、買ったものを袋に詰めていく。
もう慣れたものだ。
「でも今日の夕飯はおでんが食いたい」
「コンビニ寄って行きましょうか」
「そうだな」
この前安元さんからもらった美味しい日本酒開けよっか、なんていいながら、ひんやりとした夜道を並んで歩く。
買い物袋とは反対の手から伝わる熱が心地いい。
今日も月が綺麗だ。