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「江口さん、これ」
差し出されたシンプルな紙袋に入っていたのはいつか瑞希ちゃんに貸したパーカーだった。
「なんかごめん。こんな丁寧に」
「わたしこそ、いろいろすみませんでした。今度からは気をつけます」
「俺はいいと思うよ、あのメンツの時は特にさ。安心していいんじゃん?」
気、張りすぎなさんな〜、なんのために酒があるとおもってんのさ!
背中を叩いてやると、困ったような笑みを零した。
紙袋から出したパーカーはふんわりと瑞希ちゃんの香りがしたし、駅前の美味しい洋菓子屋さんのクッキーも添えられていた。瑞希ちゃんも女の子だなあ
好きだなあ。
「二人ってそういう、?」
隣にいた良平さんがニヤリと悪い顔をする。
違いますよと否定するのも、そうですと肯定するのもなんか違う気がして笑って濁したら「ニヤつきすぎてキモい」とばっさり切り捨てられてしまった。
「そういえばこの前久保が男と2人で買い物してるの見たけど」
「2人で?マネージャーじゃないんすか」
「いや〜すっげー増田俊樹っぽかったから俺は増田かと思ってたんだけどさ。両手に服屋の紙袋持って歩いてた。付き合ってんのかと思って声かけなかったんだけど声かけときゃよかったな〜」
瑞希ちゃんが男と2人でいるなんていつものことだ。休憩中によく梅原と2人でコンビニにいってるし、なんなら花江くんと牛丼食べてるところに遭遇したこともある。増田くんと買い物に行ってたって別に今更驚かない。
「でも最近増田くんと瑞希ちゃん一緒にいるとこよく見るよ」
ちょうど近くにやってきた代永翼が思い出したように口を挟んできた。
「お、ワンチャンあるかもな?!どうする江口拓也〜〜」
「どうもしないっす!からかってる!面白がってる!」