■ ■ ■
「ひなたくんゆうたくんおたんじょうびおめでとう」
0時ピッタリ。突然ラインが来たとおもったら珍しく瑞希ちゃん。
コンビニケーキとひなたとゆうたのグッズが写った写真が一緒に送られてくる。ああ、今日だったのか、ともらったメッセージで思い出す。
自分が演じた2人の誕生日をこうして身近で祝われると嬉しいけど少し照れくさい。
でもそんな喜びも束の間。俺は気づいてしまった。
めっちゃ江口さんの部屋のテーブルとテレビじゃん。
瑞希ちゃんの家にあったテーブルの色は違ったしテレビはこんなにでかくなかった。どちらの部屋にももう何度も飽きるほど行ったんだ。わかって当然でしょ。
写真に平然と映り込む江口家の面影に、イマイチ信じきれていなかった同棲しているという事実を突きつけられる。思いがけないダメージである。
一気にお祝いムードがひいて真顔に戻ってから返事を打つ。
「江口さんと食べるの?」
「ひびきわたる氏とたべます」
「職権乱用かよ」
「秘密だよ。零さまも呼ぼうと思ったんだけど」
「朔間さんのほうがお世話になってるしひなたとゆうたはそっちの方が喜びそう」
「やっぱそうだよね。てとらくんとかこーがくんも呼ぼうかな」
「立場利用しすぎかよ」
「推しに関しては利用できるものは利用しておこうってスタンスなんだけど友樹さんにはさすがにそんなこと言えないなあ」
「今日友樹さんと増田くんと現場いっしょなの思い出したサイコー」
「はいはい、よかったね」
前にイベントで一緒になった細貝さんは、瑞希ちゃんの誕生日に電話したら「羽風くんに祝われたかった」って言われたとぼやいてたし、普段わりと淡白な彼女もここまで変わるのかと。
それが見れるのも俺らの特権かとおもうとまあ、悪い気はしないんだけどね。
でもまあ、とりあえず。
いまきっとこのメッセージを打ちながらも日々樹渉こと江口さんと、ケーキを食べているんだなあと思うとなんとも複雑な気持ちだ。