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「瑞希ちゃん?!いいの?!」

彼女の顔を見るなりオロオロと声を上げる増田俊樹に瑞希も俺も唖然とする。
座って座って!と椅子を出してくる姿に今日の主役はこいつだよな、と不安になる。
間違いなく今日の主役は、誕生日の、増田俊樹本人なんだけど。

「いいってなにが」
「イベントなんかに出て!」
「何ヶ月も前から今日は増田くんのバースデーイベントにでるつもるでしたけど」
「自分から電話したんじゃん」
「いや!あの、そうなんだけど、ほら、体調とかあるじゃん?俺詳しくはないんだけど、休めるときに休んだ方がいいし?ほらあるじゃん、人前に出るのは、、とか、ホラ!」

必死な増田に若干顔を引きつらせながら、元気すぎてテニスができそうですよ、なんて真顔で冗談を飛ばす瑞希。
別にいつも通りそうだけど。増田の顔面は心配に満ち溢れてるってかんじ。増田俊樹がワタワタしてるのは通常運転なんだけどさ。

「あの、その、本番も椅子とか、いる?座ってた方がとか」
「や、別に?どうしたんです?」
「頭打った?」
「えっだって、大きい声で言っちゃダメなやつだと思うけど、、瑞希ちゃん妊娠してるんじゃ?」

大真面目に動揺してる増田に、瑞希ちゃんはきょとんとする。

「え?わたし妊娠してるんですか?」
「え?そうなんじゃないの?この前現場で中村さんとかが」
「いやいやいや、お前ら落ち着け」
「あの社畜で色恋に興味なかった瑞希ちゃんが突然同棲して最近仕事セーブしだしたのはそのせいじゃないかって」
「失礼じゃない?」

今度は増田俊樹がきょとんとする番だ。伊織はどう考えてもお腹と背中がくっつくぞなんて表現を体現してるような薄っぺらい腹をさすりながら苦笑いを浮かべてる。

「ご期待添えなくてすみません」
「ご期待に添えないでいいよ!!俺気が狂うかと!!思ったんだから!!」
「増田さーーん、顔が近い、瑞希をゆすらない、死んじゃうから」

心底安心したのか清々しい顔に戻った増田俊樹。

そんな彼のバースデーイベントはもうすぐ開演。