◎降谷さんと買い物


「それはダメだ。キャベツは芯が太いものがいいぞ。ちなみにレタスや白菜は芯が白い方がいい。」

「違う!ねぎは白い部分が長くて境目がはっきりしてるのを選べ!」

「それは戻せ。ほうれん草は根元の茎が太いやつが美味い。」

「きゅうりはイボが鋭くて太さが均一なもの。これくらい常識だろ。」


「降谷さん主婦より詳しいんじゃないの。」
「どうせ同じ値段なら美味いもの食べる方がいいに決まってるだろ。」
「凝り性なのはよく分かった。」

当然だろみたいな顔で言わないでほしい。
どうせ私は女子力なんかないですよー。料理も可もなく不可もなくなものしか作れませんよーだ。
これから降谷さんに買い物行ってもらお。
「降谷さん嫁にほしい。」
「お前に嫁ぐなんかごめんだな。」

そんな即答しなくてもいいじゃん。まぁ降谷さんと結婚出来る人なんて世の中に一握りしかいないんだろうな。

「お前なんか失礼なこと考えてないか?」
「そんなことないでーす。降谷さんと結婚するなら降谷さんより料理上手くなきゃダメなんだろうなーって思っただけでーす。」
「………そんなことはない。」
「ん?何か言った?」

小さくて聞き取れなかったが降谷さんは何でもないと言って黙ってしまった。
まぁいっか。

「これから降谷さんが人間の時は降谷さんが必ず料理してね。美味しい料理が家で食べれるとか最高。」
「なら買い物も出来るだけ一緒に行こうか。お前がどこに嫁いでも恥ずかしくないように鍛えてやる。」
「やだ怖い。」



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