◎13匹目
帰ってきたら降谷さんが寝ていた。珍しい。いつもなら玄関開く音で目を覚ましてるのに。
そっと近く。起きない。これはシャッターチャンスなのでは!!恐ろしいほど濃いクマがあるけどそれは後で修正するとして、無音カメラでパシャッ。
あわわ画面の中に綺麗なイケメンがいるよぅ。降谷さんはしゃべると残念なイケメン。
画面を掲げて拝んでいると降谷さんが唸りだした。やっべ起きたか?!んん、起きてないな、うなされてる?
「降谷さん?ふるやさーん?」
ペシペシ叩くと案外すぐに目を開けた、が物凄い形相で睨まれた。解せぬ。
「………なんでお前がいるんだよ。」
「なんで起き抜け一番にdisられなきゃいけないんですかね。仕事終わって帰ってきたら降谷さんがいてうなされてたから起こしてあげよっかなっていう親切心の塊な私なのに。」
苦しい眠りはよくないからね!降谷さんも心当たりがあったのかため息をついた。
「……それはどうも。お前今帰ってきたばっかりか?」
「うん。帰ってきて降谷さんの可愛い寝顔撮ったばっかり!」
貴重な一枚が撮れました!とスマホをかざすと降谷さんから表情が消えた。
「消せ。」
「やーだ。いつも辛辣な降谷さんの可愛い一面が見れてラッキーでした。いつもは気配で目が覚めちゃうからさ。」
そんな顔したって慣れてしまった私は怖くない。
渡したら最後写真は消されてしまうのでズボンのポケットにしまう。触ったらセクハラで訴えてやる。そしたら叩かれた。これ本当に痛いんだから!!
「ゴリラのくせにか弱い乙女殴るのマジでやめてもらえませんかね!せめて力加減覚えて!!」
「そのネタ聞き飽きた。」
キーキー反論していたのにふと止まり、俺をじっとみる。睨み返すが効いてないのかへらりと笑った。
「おかえりなさい、降谷さん。」
きょとりとする降谷さん。あれ?おかしくないよね?間違ってる?
「…………ただいま、名前。」
おお、初めて名前呼ばれた。なんだろ、心境の変化かな。むずむずするな…。なんでそんなに嬉しそうなんだろ。普通じゃないのかな?まぁ、降谷さんが嬉しいなら何回でも言いますよ。
ニヤニヤしてたら調子に乗るなと叩かれた。もうほんと痛い。
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