◎8匹目
それからちょくちょく降谷さんが来るようになった。間隔はまちまちだし時間もまちまち。1週間来なかったりはたまた次の日にはきてたり。私が仕事に行ってる間に来てそのまま知らない間に帰っていたりもするらしい。いいんだけどね、いいけど知らない間に来て棚漁られるのはちょっとさ、乙女として複雑だよね。
「誰が乙女だ。」
「目の前にいるじゃないですか。」
探すんじゃない!まっすぐ見るだけでいるだろう!そんなかわいそうなもの見るみたいな目で見るんじゃない!!
「それよりこれの続きないのか。」
「まだでてませーん。」
降谷さんは基本来たら寝てるか漫画漁ってる。ご飯好きに食べてねって言っても使ってないらしい。まぁ最初の時よりクマが薄くなったのはいいことかもしれないけどさ。自分で料理できて案外ちゃんと食べてるのもスピンオフで読んだけどさ!
「てか公安のお巡りさんがだらけすぎじゃないですかね。」
「ここは俺の守る日本じゃないって言ったのはお前だろ。ずっと気を張ってるんだから別にいいだろ。」
「いや、いいんだけどね。」
ポアロでJKにきゃーきゃー言われてるイケメンがこんなだらだらしながら薄い本読んでていいんですかね。
「この姿をポアロのJKに見せてあげたい。」
「絶対見られないからいいんだよ。レアだぞありがたく見とけよ。」
「全然嬉しくないです。」
こいつ順応し過ぎだろ。
←→
しおりを挟む