◎公安エースと部下


「しかし彼氏になるには義兄様を倒さなければいけないらしい。」
「倒す気満々じゃないですか。」
「当たり前だ。」

………ん?当たり前?ん?んん?

「降谷さんは苗字さんと付き合いたかったんですか?」

風見に言われて気づく。
俺は苗字と付き合いたかったのか?苗字のことが好きだったのか?

「あーあ、ちゃんと恋愛してこなかったツケがここに…。」
「言いたい事があるならはっきり言ったらどうだ。」
「いえ別に。そういった事は自分で気付かなくてはいけませんからね。どうぞ小学生男子のような恋愛を続けて下さい。」
「どういう意味だ。」
「ご自分で考えて下さい。」

なんだあいつ。今年の査定覚えてろよ。
それよりもう少し考えてみよう。
まず俺は苗字をどう思っているのか。あいつは見た目と性格にギャップがあって弄ると面白い。だから絡んでいた。しかしこの間手を繋いだ時、いや繋がれたのを無理矢理離さなかったのだが、その時何故意識しないのか、と思った。だが今こうやって考えてあいつが好きかと言われると腑に落ちない。

「あー分からん。」
「仕事して下さい。」
「お前ほんと覚えてろよ。」

(とりあえずこの思考は一時停止だ)



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