◎受付嬢とナンパ野郎


しまった、油断した。

「キミちょーかわいいね!1人?友達と来てるの?よかったらオレたちと遊ばない?」

哀ちゃん達が休憩に行ったから海で1人で浮いてたら声をかけられた。水の中で足はつかない。逃げられない反撃できない。どうする。

「連れがいるので。」
「カレシ?キミみたいなかわいい子ほっとくなんてありえないよ!そんなやつやめてオレたちと遊ぼうよ!」

知ってる。こーゆーやつらは話が通じないんだ。あぁ引っ張られる。もーこのまま引っ張られて陸に上がってから蹴飛ばして、

「その手放してもらえます?」

後ろに引っ張られ顔を上げると、

「………あむ、はむ?」
「頑張って名前さん。」
「…………はむろさん?」
「安室透です。」

そうそれ。安室さんがいた。
なんでここにいるんだろ。さっきまで荷物番してたんだけど。荷物の方を見ると哀ちゃんにひらりと手を振られた。なるほど、変わってもらったのか。

「この人に何か用ですか?」

その笑顔やめたげて。お兄さん達震え上がってるから。ちびってんじゃない?やだ汚い。

「安室さん、なんでもないですよ。行きましょう。」
「……名前さんがそういうなら。」

ぐいと腕を引っ張ると安室さんは渋々ついてきてくれた。ナンパ野郎たちにガンを飛ばすことは忘れずに。
そのまま荷物の方まで引っ張っていこうとすると途中で無理やり止まられた。引いてもびくともしないので仕方なく止まり安室さんを見上げると怒っているような、なんもと言えないような顔をしていた。

「……助けてくれて、ありがとうございました。」
「貴女は自分自身を分かっていない。」
「分かってるつもりですよ。」
「つもりじゃダメです。危機感を持って行動しないと。あのまま連れて行かれていたらどうするつもりだったんですか。」

陸の上でやっつけようと思ってました。
なんて言えずすいませんと謝ることしかできない。

「まったく。僕が気づいてなかったらどうするつもりだったんですか。」
「返す言葉もありません。」
「貴女は女性なんです。何かあったら誰かに助けを求めて下さい。いいですね?」
「周り人いな「大声で叫んで下さい。」はい。」

そんな食い気味に言われても!
まだまだ説教が続きそうでそっと目をそらして荷物の方を見るとコナンくんも哀ちゃんも目をそらした。

(助けてくれたっていいじゃん!!)



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