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あたしより斐を知らないくせに、風子は斐のことを信じている。

「……っ!!
でも怖いのよ。その噂を聞いたら怖くて……。
斐はあんな性格だったなんて知らなかったし…。それに人の性格はそう簡単に変わらないものじゃない。
毎日メールして、頻繁に会ってたけど今まで見たいに接する自信ない…。
風子だって、気になってる人がそんな人だったって噂聞いたら怖くならないの…!?」


こんな複雑な気持ち味わったことがない。
いや……いつも普通な毎日ばかり送っていたから無縁だったのかも。

噂を聞いて一人で考えてもどうしていいのか分からないし、斐に会う勇気もない。

どこか相手に冷めつつ、その人と一緒にいるなんてこと失礼すぎる…。


「もしかして有果さんは、斐くんのこと好きなんですか?」


「……っ分からない。
でも…好き。好きだった。
噂を知る前なら自信を持って好きだって言えてたわよ!」


なぜだか涙が出てくる。
自分が好きになったはずの人を自信を持って“好き”って言えない。
寧ろ噂なんかに負けそうになってる。

そんな自分が悔しい。
泣いて立ち尽くしているあたしの前で風子は言った。



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