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【君とあたしの始発駅】風子side
日が暮れようとしている中、学校や会社を終え家へと帰ろうとしている人たちであふれている時間。
私はいつもの帰り道をソラと歩いている途中だった。
いきなり彼がくしゅん、くしゅんと隣でくしゃみをする。
「ソラったら二回も連続でくしゃみ?風邪引いたんじゃない?」
「いや、…花粉症じゃないかな。…たぶん」
「あれれ?花粉症の時期って春だよね。まっ…いっか」
私とソラは有果さんと斐くんを二人っきりにしてあの場からこっそりと抜け出してきた。
あれから有果さんと斐くんはどうなったんだろう。
斐くんは結構面倒見いい人だから、大丈夫だろうと思うけど。
仲直りしてうまくいっているといいな。
「有果さんと、斐くん、うまくいくといいよね」
「そうだね。…ってか知り合いだったんだね。
風子の先輩と斐って。あ、同じ高校だからか!」
「違うよー。私が有果さんに斐くんを紹介したんだよ。
あれ…、ソラに言ってなかったっけ?」
「んー、どうだったか。でもなんで斐を紹介したの?」
隣を歩いているソラが腕を組んで首を傾げる。
「だって…、なんか似てるじゃんあの二人」
「どこが?」
その質問の答えはもう私の頭の中に浮かんでいた。有果さんに斐くんを紹介すると決めてからね。
…なのでバシッと言わせてもらう。
「二人ともギャルっぽいところが!!
『マジで』がお互い口癖だし、波長も合うかなーっと思って。
後は…女の直感です!」
「じゃあ、その直感が当たるかどうか…ってとこだな。
斐はああ見えてもかなりの電車オタクらしいから、分かってくれる人だったらいいんだけど」
「そ…そうなの!?」
その情報を初めて耳にした私は斐くんのギャップにびっくりした。
有果さんは女の子の中の女の子って人だから、電車に興味なさそう…。
でももしあったら……きっと最高のカップルになったりして。
―…ガタン…、ゴトン……。ガタン…、ゴトン……。
歩いている歩道から数十メートル先にある線路を電車が通過していった。
今日もたくさんの人を乗せて……。
どうか、有果さんと斐くんに幸せを運んでいってくれますように…。
その夜、有果さんから一通のメールが来た。それは私にとってとっても嬉しい内容だった。
有果さんらしい言葉ばっかりだけど。
…このメールは保護しておこう。
有果さんと斐くん、そして…私も幸せな気分になった日の内容だったから。
『こんばんは。もう!今日は何で勝手に帰ったのよ!?
斐と探したんだよ?
でも一時はどうなるかと思ったけど、うまくいったわよ。
あの後、斐と付き合うことになったの。幸せすぎてマジやばい。
斐が来た時は余計なことするなって思ったけど、こうなれたきっかけを作ってくれたあんたらのおかげだと思ってる。
ありがとう。
あ、都合がいいと思うけど今日から風子はあたしの友達だからね!
マジで、強制だから!
じゃあ、おやすみ。
PS:最初の頃は悪く言ってごめん。 有果』
―END―
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