片思い中の女の子から飴をもらった王子様
【白石蔵ノ介】
怪我をした片思い中の子を保健委員という事で一緒に保健室に行き手当てをした彼は、彼女からお礼の言葉と共に飴を差し出された。
「え、この飴ちゃん貰てええんか?」と少し戸惑うも彼女が笑顔で頷けば「…そか、おおきに。めっちゃ嬉しいわ」と爽やかな笑顔で受け取る。だが彼女が去った後にその飴を愛しそうに眺め、その飴の袋を強く握りしめる。片思いの子から初めてものを貰ったのが嬉しくて仕方がない。
「……この飴ちゃんは、俺にはもったいなさすぎて……今の俺じゃあ食べられへんわ」
結果的に両思いになるまでお守りみたいにずっと持ち歩いてる。両思いになった日に帰宅後記念として食べ、その味がいちご味だと知る。その飴は今まで食べたどんな飴よりも甘かったとかなんとか。
【忍足謙也】
席替えの時に初めて隣の席になり、「これからよろしくね」と言う挨拶と共に飴を差し出される。
初めての彼女からのプレゼントに感動し食べるのを躊躇するが、「この飴ちゃん美味しいんだよー」と彼女も口に含んだことからその場の流れで食べることにした。その飴は甘酸っぱいレモン味で今自分がしてる恋にその味を重ねてしまう。
「どう?美味しいでしょ?」と聞いてくる彼女に「お、おん。めっちゃ美味いわ!」と笑顔で返せば「良かったぁ」と笑う彼女が可愛いすぎてときめきが止まらない。
「……な、なぁ。この飴ちゃんどこで買ったん?俺も欲しくなってもうた」
そう言って彼女から売ってるところを教えてもらい、両思いになるまで願掛けとしてその飴を毎日1つずつ食べ続ける。彼女も毎日食べ続けてる彼を見て「そんなに気に入ったの?」と笑うから「…好きなんやから仕方ないっちゅー話や」と真面目な顔で言ってしまう彼はだいぶ彼女に惚れ込んでる。彼が何でこの飴ちゃんにこだわっていたのかの本当の理由を彼女が知るのは、きっと彼と両思いになった後彼の口から知れるはず。
【財前光】
隣の席の片思いの中の子に授業中に勉強を教えてあげ、授業終わった後にお礼として飴を貰う。
「……別にあのぐらい気にせんでええんやけど……まあ、おおきに」と不器用ながら、ちょっとツンとした態度で貰いズボンのポケットに入れる。
そして帰宅後に自分の部屋でその飴を1人で眺め、自分の恋する乙女な状態にキモいと思いつつため息を吐く。
「……こんな飴ちゃん1つで喜ぶとか、自分キモいわ…」
コロコロとその飴を掌で転がし、意を決して袋から取り出して口の中に放り込む。その飴は甘ったる過ぎないりんご味で、優しい甘さが口の中に広がる。その飴を食べ終わった時片思いの子からの初めてのプレゼントが無くなってしまったことに少し後悔してしまう。ふと目に入った飴の包装紙を捨てようとするも、捨てられない自分に彼はまたため息を吐いてしまう。
両思いになるまで生徒手帳に飴の包装紙をひっそり入れてお守りにする。両思いになった頃にはもうその飴の包装紙を生徒手帳に入れていることを忘れてしまっているが、ふとした時に彼女に見られてしまい一気に自分の恋する乙女だった頃を思い出し顔が真っ赤になる彼が見たくて仕方がない。