「じゃ、ね、ダンブルドア」
「おぉ、次はショーでお会いしようぞ」
「ん」
コクリとうなづいた彼女の姿が消えると
次なる来訪者を待って、新たに紅茶を入れ直す
彼女の言動が
確かに時を動かし始めたのを感じた。
コン、コンとしめやかなノックが
物思いにふけっていた意識を連れ戻す
「どうぞ」
彼女には及ばぬものの、
長年に渡って作り上げた
賢者アルバス・ダンブルドアの表情を
意識的に身にまとう
それが自らに最も似合いの鎧だと
知らないはずもなく
「失礼いたします」
蝋を溶かしたような白い指先が
繊細に戸を閉める
向かい合った爛々と光を宿した瞳には
無表情の仮面
「トム、君を待っていた」
化かしあいが始まるのは明らかだった
Or ask for love or sin
(問うのは愛か、罪か)
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