降り止まぬ雨に全てを流して


序章



この世界へ辿り着いてから、長く同じ夢を見る事が増えた。昔馴染みの装束に身を包む、目鼻立ちのきりっとした美しい容姿の青年の夢。
とても、とても不思議な夢。青年は、何時も自身の夢に出て来るのにも関わらず、言葉を発する事なく、ただ悲し気な表情を浮かべながらも、壊れ物を扱う様に優しく私の頬を撫でて慈しむ様な眼差しで此方を見詰めて来る。私の頬から伝わる彼の両の手は、夢の中にも関わらず、温かくて言葉にせずとも伝わる愛情に酷く胸が打たれた。
 
→封印された少年





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