降り止まぬ雨に全てを流して

page.0
序章

死に好かれた世界。
人の命は皆平等だと言うのに、この世界の貴族達は自らの階級と身分を盾に、身分の低い平民達の命に優劣を付けた。
必死に生きる彼らの姿を貴族達は……汚笑しい存在、家畜も同然な存在。そう言って彼等を嘲笑った。
そんな貴族達に、私は何とも醜い世界なのだろうか。とそう思ってしまった。
呆れてしまった……この世界の汚らわしさに。愛しき者達が居ない世界など、殆……嫌、殆は可笑しいか。最初から、この世界など興味などは無かった。
だからこそ、私はこの世界で傍観者になる事を決めたのだ。
慈悲などくれてやるものか。人の命に優劣を付ける貴族共よ己が罪を報うがいい。
貴方の元に死が訪れるその時まで……精々、残りの余生を楽しむがいい。