平和に行きましょう。

ネタに


 蒼枯の師匠を横に据えれば大抵の人間がまともに見える。とにかく話は聞かない。鬼に追われて崖から落ちた蒼枯を生身で受け止めて「天より授かった!!!」と電波を受信し、追いかけてきて「ぐへへ餌が増えた」と言った鬼を片手の日輪刀で瞬殺していなかったことにした。
「あの」
「後継に悩める私に天が貴様を授けたのだ!よって今この瞬間より貴様は私の弟子とする!」
「いや崖」
「黙れ!!産後故今日のところは休むがいい、明日から剣聖にすべく貴様を鍛えてくれるわ!」
 助かったのに助かってない。しかし、蒼枯は既に親無し身内無しの身であったので、拾われたこと自体は悪い事でないと思っている。しかしとにかく話は聞かない。

「久しぶりだね、聡太郎。変わりない君の姿をまた見ることが出来て嬉しいよ。そちらにいるお嬢さんは、君の弟子なのかい」
「は。鬼に追われ、崖より転落した所を受け止めました瞬間、この者こそが我が後継に相応しいと直感し弟子にした次第にございます」
「君がそこまで買うとは、きっと素晴らしい才能があるんだろう」
「必ず玉となる逸材です」

「ばかぁああああ!!!崖から落ちたって知ってたんじゃないですかあああ!!!!何でっ天から授かった!!!とかって無理やり!!!無理やり!!!修行させてきたくせにいいい!!!師匠のばかあああああ!!!!しらが!!!赤目!!!あんぽんたんー!!!!ていうか丁寧に喋れるんじゃないですか!!!」
「喧しいわ!!」
「がふっ」

 やべぇもん見た。うねる白髪を伸ばした赤目の男が黒髪の少女の首根っこを引っ掴んでずりずり歩く様は見たまま異様で不気味だ。
 鬼なら頚斬って終いだが、悲しいことに男の方は見覚えがある。お館様から鎹烏の伝令にて「鬼殺隊随一の実力者と手合わせ稽古をしてほしい」と言われた時に屋敷にやって来た鬼みたいなおっさんだ。結果としては、煽られに煽られた挙句木刀でボコボコに叩きのめされた。天元は途中ブチ切れて幾らかおっさんの骨を折った気がするのだが、折れた左腕をぷらぷらさせながら「その程度か若造がァ!!!」と発破を掛けられた。いや手合わせなんだからもうやめろよ腕折れてるじゃん、と思ったが、結局脳天に一撃入れられて失神するまで続いた。その時のおっさんが小娘引き摺って目の前にいたら、そりゃもう全力で関わりたくない。
「やだああああ!!やぁあだあああああ!!!師匠先回りとか卑怯!!白髪!!極悪人!!稚児趣味!!!」
「私から逃げようなど笑止千万!!貴様のような小娘如きにこの私が2度の遅れを取ると思うな!!」
「にゃあああああああああ!!!」
 放置しよう、うん。


























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