平和に行きましょう。

まま2


 蕩けるような視線に背筋がぞわりと震えた。それは所謂悪寒に似ていて、しかし毛色が少し異なる寒さも感じる。
 ママと小芝居で呼んでいたものの、この目の前にいる女性がコナンは苦手だった。少なくとも次元(パパ)とセットでない限り、間違ってもママと呼べばコナンの命が危ない。この人はルパンや次元と全く異なる方向でかなり敵が多いのだから。
「ね、ね、他に食べたいものは?」
「だ、大丈夫だよ!ボクもうお腹いっぱい」
「そう?遠慮しないでいつでも言ってね」
 勘弁してくれ、と思っても女性はコナンを構いたいようであれこれ世話を焼こうとしてくる。茶番でも息子が出来たのがよっぽど嬉しいらしい。


「…おっさんは一緒にいないの?」
「きゃあ息子がグレたわ……冗談だよ。次元ならルパンと悪巧みしてるんじゃない?」
「仲間の割に他人事なんだね…」
「あの二人が集中してると割り込みようがないもん。仕事の中身が決まるか喧嘩でもしない限り、今は暇だし」



 ひく、と頬が引き攣った。おいおいマジかよ、と思いながら客へチップを配り、唇は動かさず仕込んだマイクへ囁く。
「こちら7番テーブルからパパへ。息子が来てる、繰り返す、パパの息子が何故か来てる」
 アングラカジノは正規と異なり未成年のゲーミングを厳しく取り締まる訳ではない。ごく稀にうっかり、うっかり人混みに紛れて子どもが入店していてもまぁ、ないこともないだろう。
「私的には日を改めるが吉だけど」
『無理だ、もう見つけちまった』
「仕事が早すぎるのも難点だなぁもう…」

























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