平和に行きましょう。

憑いちゃった


あんまりにも未練強すぎて幽霊になっちゃった女の子が悲鳴嶼さんの側に居続けるお話
お名前は鈴ちゃん。享年7歳。べらぼうに泣き虫で凄まじいくせっ毛でよくからかわれてた。名前が無かったので悲鳴嶼さんが拾った時に「鈴をつけているから」というかなり安直な名付けにより鈴と呼ばれていた
襲撃事件では外の近くにいた為、何が起こったのかも分からず即死した。そして気付いたら悲鳴嶼さんの近くにいて犯罪者扱いされていて大泣きした。いつもならすぐに気付いてくれる悲鳴嶼さんどころか周りの大人も鈴に気付かず、1日くらい経ってからようやく自分が死んだことに気付く。その時死んだ時の光景思い出してまた泣く
鈴が悲鳴嶼さんの側にいるのは悲鳴嶼さんが遺品として鈴の鈴(ややこしい)を持っている為。この為鈴はいつも悲鳴嶼さんの側にいたり時々置いていかれたりする
獄中で犯罪者扱いされる姿を見て泣き、鬼殺隊に助けられてまた泣き、尋常でない修行の数々に大泣きし、生涯を鬼殺に捧げると決めたと知ったらとことん泣く
時々怪我したり危ないことになったら、結構無理して周りの隊士を呼びに行く
この時生前の姿で、呼ばれた隊士はその先に負傷した悲鳴嶼さんを見つけてから女の子を見失い「女の子がいたんだけどなぁ」と不思議がる。鬼殺隊七不思議くらいになるし、鈴は泣いて悲鳴嶼さんも泣く
でも絶対悲鳴嶼さんの前には現れない。押し掛けてきた胡蝶姉妹のしのぶちゃんに「センセはこっちの山菜の方が好き」とか教えて滅茶苦茶山菜採らせる。しのぶちゃんが、やたら偏った山菜に首を傾げた悲鳴嶼さんに「ちっちゃな女の子が教えてくれたけど」と言ってまた泣かせる。でもしのぶちゃんにはその一回きりで姿を見せない。岩動かした後に「おめでとう」の野花をちょっと置いとくくらい。姉に近付かないのは本能的にやばそう(成仏的な意味で)だったから
時々来る継子たちにもちょくちょく顔を見せるけどそこまで関わらない。だってすぐ根を上げるし鈴を見て逃げるから
玄弥くんが来たら癇癪にびびったり泣きながらも「がんばれーがんばれー」と応援している。こいつぁ骨があるぜ!



「山菜なら、センセはこっちのがすきなのよ」
 いつの間にか、その女の子はしのぶの隣に腰掛けていた。
「……こっち?」
「そう」
 今しがた採ろうとした物から手を離し、女の子が指差す方を採る。そうすると、満足げに頷いて「こっちにもあるのよ」と袖を引かれた。
 先生、とは悲鳴嶼のことだろうか。確かにこの山奥に、他に住んでいる人などいないはずだ。だから多分、この女の子はあの人と一緒に住んでいる住人なんだろう。お屋敷は広かったし、勝手に住み込んでいるとはいえ全て知っている訳では無い。きっとすれ違っていた、のかもしれない。
 そこまで考えて、納得する。相手が男ならとっとと逃げる所だが、目の前にいるのはしのぶよりももっと小さくて幼い女の子だ。伸びたくせっ毛を鈴の付いた紙紐で簡単に一纏めにしていて、ちょっと痩せている。着物は山で遊んでいたからか、すこし泥だらけで擦り切れていた。
「あなた、悲鳴嶼さんの所にいる子なの?」
 念の為に確認すると、女の子は「うん」と喜色ばんだ。
「センセが拾ってくれたのよ。なまえもね、つけてくれた」
「じゃあ、なんて言う名前なの?」
「……ないしょ」
 くす、と悪戯っぽく笑う。それがちょっとしたヤキモチだと分かったので、しのぶは敢えて何も言わなかった。自分の育て親の所にいきなり他の子が来たら面白くない気持ちは知っていた。
「ねぇ、もう十分採れたから一緒に戻りましょ。姉さんもいて、あなたのこと教えなきゃ」
「……んーん。あたし、あとでいく」


 なんか、いる。
 宇髄の隣に座る悲鳴嶼の膝上に毛玉がいる。赤茶けたそれを横目で何度か確認すると、ふわっふわの癖っ毛がすごい小さな娘だと分かった。分かったが、全く訳が分からない。
 毛玉娘は自由奔放に遊んでいる。柱が集まるこの場で寛げるとは相当肝の据わった奴だなと思う反面、厳格であるはずの悲鳴嶼どころか、周りの面々も何も言わないのが不可解であった。そもそも気付いていない、のだろう。


































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