平和に行きましょう。

おさけ


 酒で浮ついた勢いのまま、何事かと驚いた表情のあの子を抱き上げて、寝室へ向かう。髭や髪がこそばゆいのか腕の中で身動ぎするが、逃げる様子はないので更に気分が良くなった。
「カタクリ」
「なん」
 なんですか、と恐らく言おうとしたのだろう。しかしその続きはそのままダンデが口の中へ閉じ込めてしまった。
 驚愕のまま閉じない口と目を合わせ、手をベッドへ縫い付ける。逃がしたくなかった。さすがにこのまま抱く程鬼畜ではないが、出来るだけ彼女に触れていたかった。
「ん、っふぁ、…っや、ぁむ」
 ココアの後味のする舌を絡め、唾液を交換するように深く深く繰り返す。
 酸欠状態で息をするカタクリを自由にしても、気力と体力が無くなった彼女は横たわったまま唖然として動かなかった。肉付きが薄く、柔らかさよりも硬質的な曲線を描く白い身体が淡く血色付いているのも扇情的だった。
「流石に、今のままだと入り切らないだろうな」
「何の…、話です…」
「オレ達のセックスだよ」
 はぐらかされるだろうと思っていたらしい顔が大いに引き攣る。
「カタクリは経験がないだろう。何事も準備が必要だし、何より君に負担がかかるだろうから十分に慣らしていかないと裂けるぞ。あ、やり方はオレに任せてほしい。何せ君の体に入るのはオレだからな」
 カタクリの露骨な表情は分かりやすい。あぁ、可哀想なカタクリ。昔からその好奇心と律儀さで酷い目にあってきたのに。
「…そもそもセックスしないっていう選択はないんですかね…」
「君がどうしても萎えるなら諦めるよ。何も愛情表現は1つじゃないからね」
「私が出てったり訴えるとは考えないのか…」
「…なるほど」


































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